特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.425 2021年04月号

工学を学ぼう

特集 06

何によって人に憶えられたいか? What do you want to be remembered for?

福島の事故から原子力産業の役に立ちたいと北大へ

量子理工学専攻 量子ビーム材料工学研究室
博士後期課程2年
山石 直也

[PROFILE]

出身高校
沼津工業高等専門学校
研究分野
放射線計測学、結晶工学
研究テーマ
TlBr単結晶の電荷キャリア輸送特性改善による高品質化・大型化

モノづくりを活かせる研究室

高専在学中に福島第一原発の事故が起き、自分が力になれることはないかと考え、学部から原子力工学を学べる北大工学部機械知能工学科に編入しました。複数ある原子力系の研究室の中で現在の研究室を選んだ決め手は、金子先生が指導学生の成果を讃えながら「モノづくりを最上流から一貫して行える研究室です」と説明してくれたその一言です。この研究室なら高専で培った「モノづくり力」を活かしつつ原子力業界の役に立てると思い、心が決まりました。

自分が開発した放射線検出器で憶えられたい!

私の研究テーマは、新規半導体化合物から放射線検出器を開発することで、原料の精製、単結晶育成に使用する電気炉から自分たちで設計、試作をしています。将来は自分の研究成果で起業も視野に入れており、ビジネスの素養を養うために修士課程から起業家育成プログラム(EDGE-NEXT)に参加しています。春からは工学院が連携している小樽商科大学MBA特別コースに入学し、新たな挑戦に心躍ります。

図1 試行錯誤の結果、5代目にして安定稼働するようになった電気炉 Figure 1 : As a result of trial and error, the electric furnace became stable in the 5th generation.
図2 筆者が参加したEDGE-NEXTプログラムの1つであるDemolaのチームメンバー(筆者右端) Figure 2 : A team member of Demola, one of the EDGE-NEXT programs I participated in (I am on the far right)