工学における先端計測

「計測」という言葉を聞いて皆さん、何を思い出しますか?
身長や体重の測定でしょうか?
量を測ることは状態を把握し、制御するための基本になります。
地震に強い建物や道路などをつくるために
物の長さの変化を測る技術や、
中性子を使った温度測定、
物の特性を知るための発光測定、
放射線を測るための道具としてダイヤモンドを使う技術など、
工学を支える「計測」技術にはさまざまな分野があります。
今回の特集では、「こんなことが出来るんだ!」という
面白い研究を紹介します。

TALK LOUNGE

〉〉〉 定性と定量の違いを説明できますか?

 何かわからない現象が起きた時、「Aという効果とBという効果が作用してCを起こしたのかな?」という状態は定性的な仮説の段階、「Aの効果が○○、Bの効果が××だけ作用した結果、△△だけのCになった」という具合にA、B、Cそれぞれの量まで決定しているのが定量的段階です。工学に関わらず、自然科学では何かわからないことがあると「仮説を立て、実験やシミュレーションなどにより検証」を繰り返すのが基本的な問題解決法になります。最初は簡単な仮説と検証で済んでいたものが、レベルが上がるにつれてきちんと量を測ることが必要になります。

〉〉〉 〉「 桁は間違えるな」実学の自覚を大切に

 工学は、実学なので、最終的には人が実際に使って役に立つ"もの"・"こと"を目指します。私は学生時代、「数字は間違っても、桁は決して間違えるな」と叩き込まれました。これはエンジニアが桁を間違えて物を作ると「人の命にかかわるよ」という教えです。そんなことを頭の片隅に入れておきながら本特集を読んでみてください。

(コーディネーター 金子 純一)