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学生コラム

■研究・活動紹介
流れが生み出す複雑な自然地形

環境フィールド工学専攻
水工・水文学研究室

博士後期課程2年
岩崎 理樹 Toshiki Iwasaki

[PROFILE]
◎出身地/北海道由仁町
◎趣味/散歩
◎一言/研究はわからないことだらけです。出来ないことやわからないことに対して粘り強くやっていくことも大事だと思っています。

▲感潮域に形成されるTidal Creek 自然界には水や空気などの流体の流れが作り出した非常にユニークな自然地形が数多く存在しています。私は、主に潮の満ち引きを受ける感潮域に形成される複雑地形に焦点を当てた研究を行っています。この領域では、潮汐流、波、河川流や地盤浸透流など流れの相互作用により、図に示すような複雑な水路網(Tidal Creek)が形成されます。
 Tidal Creekは非常に複雑な形状をしており、その形成や発達メカニズムといった物理機構に不明な点が数多く残されている魅力的な研究対象です。同時に、この複雑地形により創出される多様な環境は、数多くの自然生物の生息に大きく寄与する重要な環境資源として注目されています。このような自然環境は、流れと地形の微妙なバランスにより維持されているため、海面上昇や流域開発などが及ぼす影響が世界的に懸念されています。
▲計算モデルによるTidal Creekの
シミュレーション結果
 私たちは、これらの地形変動過程に関する物理機構の解明を目指すともに、数値計算モデルによる地形変動予測手法の確立といった観点から研究を進めています。自然が作り出した美しい地形を計算で予測することは極めて困難ですが、非常に楽しみな問題でもあり、日々研究に励んでいます。

■インターンシップ報告
多くの困難から学んだ大切なこと

機械宇宙工学専攻
宇宙環境応用工学研究室

修士課程1年
谷山 由和 Yoshikazu Taniyama

[PROFILE]
◎出身地/埼玉県熊谷市
◎趣味/バスケ、旅行
◎一言/学生らしく失敗を恐れずに機会があれば挑戦していこう。

▲ディスカッション後に、担当教授と 約4ヵ月間のインターンシップで、フランスのENSMA(フランス共和国機械航空高等国立大学)という大学へ行ってきました。研究内容は、自身の研究に近く、バーナ火炎の不安定現象に関するもので、先にシミュレーションで出た結果に対して実験を行なった場合との整合性の確認でした。実際には実験準備の段階から始まり、進め方についての話し合いがメインでした。先生から内容を指示され、関連する論文を読み、方法を提案し、実行に移す過程は大変でしたが、多くの経験や知識を得ることができたと実感しています。
 また、現地ではさまざまな人に出会い、見方や考え方の違いを知りました。特にアジア圏出身の人たちとは仲良くしてもらい、実際にフランスでの生活や将来の展望などを話し、週末には街に出かけたり、各国の料理を作り合ったりしたのは良い思い出です。
 英語が得意ではない私にとって、英語でのコミュニケーションには多くの困難がありましたが、そこから「自ら発信すること」と「失敗を恐れないこと」の大切さを学びました。最初は話を聞くだけだった自分が、最後には計測方法の提案まで出来るようになったのはかなりの進歩だったと思います。この経験を活かし、今後の研究生活をより充実したものにしたいと思います。

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