宇宙と工学 - 知る、行く、使う、住むための技術 - Space Engineering

2004年6月21日、米国でスペースシップワンが宇宙に到達し、民間企業による有人宇宙飛行に世界で初めて成功しました。宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティックは、スペースシップワンからの技術供与を受け、宇宙旅行ビジネスを開始する計画です。
ビゲロー・エアロスペース社は地球周回軌道上に宇宙ホテルの開発を進めています。
人類が宇宙を舞台に活動する世界がすぐそこに来ています。
国家による宇宙開発の進展を待つ時代は終わりつつあります。
民間が主役となって宇宙を利用する時代に向けて、あなたはどんな夢を思い描き、そのために今、何をしますか?

宇宙に描く夢を現実にする工学の仕事

〉〉 待ってるだけでは、未来は来ません

 人類が初めて月面に降り立つ1年前、1968年4月に「2001年宇宙の旅」という映画が封切られました。冒頭、旅行者が宇宙ステーションに降り立ちます。月で開催された国際宇宙会議(International Astronautical Congress、IAC)に出席後、地球に帰る途中の科学者でした。2001年、第52回IACは、フランスのツールーズで開催されました。月じゃなかったなあ、という感慨を胸に講演論文を投稿したことをよく覚えています。

〉〉未来を思い描くのが、工学の仕事です

 待っていても望む未来は来ません。望む未来は自分でつくる。そのための重要な第一歩が、未来を思い描くことです。世界で初めて液体ロケットを打上げたゴッダード博士は、こんな言葉を残しています。“The dream of yesterday is the hope of today and the reality of tomorrow. ” 〜 昨日の夢は、今日の希望、明日の現実である。〜 望ましい明日を迎えたければ、正しく夢見る必要があります。正しく夢見る。これこそが、工学の仕事です。知りたい、行きたい、住みたい、利用したい。宇宙への夢を、工学が叶えます。

(コーディネーター 永田 晴紀)