大谷 美帆 学部4年 / Miho OHTANI
外殻タンパク質酸化損傷検出によるヒトノロウイルス感染能力の推定
ノロウイルスによる胃腸炎の感染リスクを評価するためには,水や食品など,対象の試料に含まれる感染性を有したウイルスの濃度を正確に測定する必要があるが,現在組織細胞を用いたヒトノロウイルスの培養系が存在しないために,感染性の評価が不可能となっている.ウイルスの消毒方法の一つに塩素処理があるが,その酸化ストレスによってカプシドタンパク質表面に酸化損傷が生じ,ウイルスは感染性を失うと考えられている.本研究では,ヒトノロウイルスの代替ウイルスとして培養可能なマウスノロウイルスを使用し,カプシドタンパク質上の酸化損傷の程度と感染性の関係を調べ,培養不可能なヒトノロウイルスの感染性評価手法を確立することを目的としている.