小原 紀子 修士1年 / Kiko OHARA M1
下水処理場における薬剤耐性遺伝子の動態の解明
抗生物質は、これまで細菌感染症の治療と予防に広く使用されてきた。一方で、抗生物質は薬剤耐性菌の出現を促す選択圧となるために、抗生物質の過剰および不適切な使用による薬剤耐性菌の拡散が問題となっている。現在では薬剤耐性菌に起因する死亡者は年間70万人にも及ぶと報告されており、早急に対策が取られなければ2050 年には世界全体の死者数は1000万人にも及ぶと推定されている。経済的には、世界全体で 100兆ドル規模の経済損失が予想される。薬剤耐性菌および薬剤耐性遺伝子の環境中への排出源として、また薬剤耐性遺伝子の水平伝播のホットスポットのひとつとして下水処理場が注目されている。
2023年3月 | ライオン賞 活性汚泥における多剤耐性プラスミドの拡散経路の可視化 ―蛍光タイムラプスイメージングによるプラスミド水平伝播と垂直伝播の定量― 日本水環境学会 |
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