進藤 琉司 学部4年 / Ryuji Shinto B4
アンモニア再生技術の開発
アンモニアはプラスチックや医薬品、染料といった様々な工業化学品の基礎原料であると同時に農業における窒素肥料の主成分として用いられ、世界中の人々の生活を支えている。また、人口増加による 食料需要の増大やエネルギーキャリアとしての需要が高まっており、アンモニアの需要は今後さらに増加すると考えられる。世界のアンモニア生成量は 2015 年時点で1億4600万tまで達しているが、2050 年にはさらに 40%増加すると予想されている。アンモニアは現在そのほとんどが Haber-Bosch 法により生産されている。Haber-Bosch 法は窒素と水素を直接結合させてアンモニアを生成する技術であるが、不活性なN-N三重結合(945kJ/mol)の 切断のため、25-35 MPa・約 500°Cという高温・高圧下で反応を進める必要がある。また、原料となる水素はメタンガスの水蒸改質法よって生産され、その過程で排出されるCO2の量は世界の人為的 CO2排出量の1.2%を占めるほどであり, Haber-Bosch 法に依存しないアンモニア生成システムの開発に注目が集まっている。そこで本研究では新たなアンモニア再生技術の開発に取り組む。