特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.437 2025年04月号

工学を学ぼう

特集 06

未来につながる研究 Research for the future

「この分野で高圧を扱えるメタノール合成装置を持つ国内の大学は少なく、大変貴重な経験を積ませてもらっています」

自分の研究と環境問題が直接つながっていると実感

総合化学院 総合化学専攻 化学システム工学研究室 修士課程1年
重田 大翔

[PROFILE]

出身高校
鎌倉学園高等学校
研究分野
化学工学
研究テーマ
CO2水素化によるメタノール合成触媒の検討

モノづくりの先を見据えて

私の専攻である化学工学は、環境や材料といった分野から医療、バイオまで幅広い分野に応用されています。工学といえばモノづくりのイメージを持たれる方も多いと思いますが、化学工学ではモノづくりの先を考えます。実はモノづくりはただ作れば良いというわけではなく、そのモノがどのように廃棄されるか、環境にどのような影響を及ぼすかまでを考えなければなりません。この一連のプロセスを環境や材料の両面から考え、日々研究に励んでいます。

新たなエネルギー源メタノール

現在は化石燃料に代わる新たなエネルギー源として捉えられている物質メタノールを研究しています。実験では、二酸化炭素からメタノールを合成する触媒を作製し、効率よくメタノールを作ることを目的とした実験条件の探索を行っています。このように自分の研究が環境問題など大きな課題にも直接つながっているんだと実感できることが、研究活動のやりがいの一つでもあります。

図1 実験で使用する触媒活性試験装置 Figure 1 : Equipment for catalytic activity tests used in the experiment