特集 04
製造方法を変えると特性も変わる Changing the production process also changes the properties of the materials

私たちの日常生活は金属材料の研究成果でできている
材料科学専攻 環境材料学研究室 修士課程2年
古関 百花
製造過程の不思議
私たちが日常生活で使う多くの製品、自動車や家電製品などは金属材料の研究から創り出されたものです。同じ金属材料でも製造方法が異なると、その特性も変化します。例えば、金属の箔は大きな塊を何度も圧延して薄くするトップダウン方式で製造されますが、電解めっきのように原子レベルの薄い層を少しずつ積み上げるボトムアップ方式で作ると、両者の特性は全く同じにはなりません。製造過程の様々な要因が影響することが不思議に思えると同時に、新たな材料開発の可能性を感じます。
アルミニウムの新たな特性
私は電解めっき法でアルミニウム薄膜を創り、その特性を調べる研究を行っています。アルミニウムは自動車や航空機などスケールの大きいものから、薬品の包装や飲料缶などの比較的小さな製品まで様々なものに使われています。アルミニウムの新たな特性を研究することでその成果が未来の技術や製品に結びつく可能性があり、非常にやりがいがあります。

