特集1 ーこれがわたしの研究室ー

REPORTER 3

中田 順也

エネルギー環境システム専攻
原子力安全工学研究室
修士課程2年

中田 順也 Junya Nakata

[PROFILE]
◎出身地/北海道札幌市
◎趣味/サーフィン(ネット)

REPORT1 まずはそれぞれ研究テーマをご紹介
新しいコンセプトの原子炉の
安全性を確保するために。

 私の所属する研究室では原子力の安全性に関する研究を行なっています。現在米国や中国などで新しいコンセプトの原子炉が開発されており、それに用いる非常用冷却システムの性能評価・安全解析を行うことが私のテーマです。福島第一原子力発電所での事故以来、原子力エネルギーは安全性の確保がますます重要な課題となっています。自分の研究を通じて、少しでもそれらの問題を解決することが出来ればと思い、この研究テーマを選びました。

REPORT2 具体的にはこんな研究をする日々です
原子炉の非常用冷却システムを
事故の際にも万全に作動させる。

 研究対象のシステムは、自然循環によって原子炉を冷却します。つまり全電源喪失などの事象が発生した場合でも、電源や特別な操作を必要とせずに受動的に事故を収束させることができます。このシステムが事故時にどのように作動するか、崩壊熱を十分に除熱できるか、といった点についてシミュレーションによって明らかにします。システム設計だけでなく、どのタイミングでそれを作動させるのが最適か考察し、運転手順案の作成も行います。

REPORT3 実用化の可能性など研究がめざすもの
事故の確率やその被害を
最小化する原子炉の実現。

 目指すは「事故発生の確率、または事故の被害を最小化する原子炉」の実現です。地震や津波などのいかなる外的事象に対しても炉の安全性を保つ。それが実現できれば、従来の低コスト・高効率という特徴も併せて、原子力は中長期的に見ても理想的なエネルギー源になり得ます。この研究はまだまだ初期段階なので課題も多いですが、その分大きな可能性を秘めています。自分の成果がプロジェクトの実現に直結するため、非常にやりがいを感じます。

REPORT4 研究室の外ではこんなワタシです
世界最高峰・MITでの
研究インターンシップを経験。

 2012年10月から約2ヶ月間、米国マサチューセッツ工科大学にて研究インターンシップに参加しました。企業や政府と合同のワークショップに参加するなど、現地の研究を通じて様々な知識を得られたのはもちろんですが、日本が持っている知識や経験を活かしてプロジェクトに貢献することができたと思います。ボストンで出会った人々や観光した街並み、世界最高峰の大学で学び感じたこと、それら全てが今しかできない最高の経験となりました。


  • 布施 ちあきREPORTER 1
    総合化学院 総合化学専攻
    反応有機化学研究室
    修士課程2年
    布施 ちあき
  • 中田 順也REPORTER 3
    エネルギー環境システム専攻
    原子力安全工学研究室
    修士課程2年
    中田 順也
  • 及川 雄太REPORTER 5
    空間システム専攻
    空間構造性能学研究室
    修士課程2年
    及川 雄太
  • 渡辺 雄介REPORTER 2
    総合化学院 総合化学専攻
    固体反応化学研究室
    修士課程2年
    渡辺 雄介
  • 今 美沙紀REPORTER 4
    機械宇宙工学専攻
    流体力学研究室
    修士課程2年
    今 美沙紀
  • 後藤 卓REPORTER 6
    環境循環システム専攻
    資源循環材料学研究室
    博士後期課程3年
    後藤 卓