大学院生特集1

REPORTER 2

小山 瞬

総合化学専攻
界面電子化学研究室
博士後期課程2年

小山 瞬 Shun Koyama

[PROFILE]
◎出身地/東京都杉並区
◎趣味/サイクリング、写真撮影、電子工作

REPORT1
電子機器に欠かせない電解コンデンサの
さまざまな誘電体に関する研究

 私は電解コンデンサに関する研究を行っています。コンデンサは、電気エネルギーを蓄えたり放出したりする、基本的な電子部品の一種であり、電子機器には欠かせない存在です。用いる誘電体の種類によりさまざまなものがありますが、電解コンデンサは、アルミニウムやタンタルといった金属の表面に酸化物薄膜を形成し、これを誘電体としたコンデンサです。現在は、ジルコニウムという金属の酸化皮膜に着目し、研究を進めています。

図1 さまざまな電解コンデンサ

REPORT2
電解コンデンサの小型高容量化のため
すぐれたジルコニウム合金を開発中

 私の研究の目的は、ジルコニウムに生成する酸化皮膜を用いて、電解コンデンサをさらに小型高容量化することです。そのためには静電容量を大きくする必要がありますが、ジルコニウムにほかの元素を混ぜて合金化することにより、生成する酸化皮膜の誘電的性質を向上させることができます。ジルコニウム合金の作製、酸化皮膜の形成、誘電的性質の評価を行い、電解コンデンサの高性能化を目指してすぐれた材料の探索をしています。

図2 酸化皮膜形成の実験の様子

REPORT3
パソコンなどの電子機器のさらなる
小型高性能化、低コスト化をめざして

 現在、電解コンデンサの材料にはアルミニウムやタンタルが用いられていますが、タンタルは希少で高価な金属であるため安定な供給に問題があり、代替材料の開発が望まれています。この研究により、ジルコニウムの酸化皮膜を誘電体として使うことができれば、タンタルの代替となる小型高容量の電解コンデンサが実現できます。これは、パソコンなどの電子機器のさらなる小型高性能化、低コスト化につながるものと確信しています。

図3 パソコンに使われている電解コンデンサ

REPORT4
サイクリングで爽快な汗を流して
短い北海道の夏を満喫しています

 平日は実験やゼミなどで忙しい毎日を過ごしていますが、休日は気分転換のため趣味に打ち込んでいます。私の趣味の一つにサイクリングがあります。北海道の夏は短いですが、自然あふれる広大な大地を自転車で走るのは実に爽快です。去年の夏は、土日の休みを使って支笏湖にキャンプをしに行きました。それ以外にも、暗室でモノクロ写真を焼いたり、ハンダごてを片手にオーディオアンプを作製するなど、充実した時間を過ごしています。

図4 自転車で支笏湖に向かう


  • 鍜治 怜奈REPORTER 1
    応用物理学専攻
    半導体量子工学研究室
    博士後期課程2年
    鍜治 怜奈
  • 片山 恭平REPORTER 3
    人間機械システムデザイン専攻
    ロボティクス・ダイナミクス研究室
    修士課程1年
    片山 恭平
  • 重藤 迪子REPORTER 5
    建築都市空間デザイン専攻
    都市防災学研究室
    修士課程2年
    重藤 迪子
  • 小山 瞬REPORTER 2
    総合化学専攻
    界面電子化学研究室
    博士後期課程2年
    小山 瞬
  • 山口 孝幸REPORTER 4
    量子理工学専攻
    量子放射線科学研究室
    修士課程1年
    山口 孝幸
  • 木村 善一郎REPORTER 6
    環境創生工学専攻
    水質変換工学研究室
    博士後期課程1年
    木村 善一郎