REPORTER 1
応用物理学専攻 |
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[PROFILE] |
REPORT1
半導体の結晶中の電子スピンを
光を使って観測・制御する研究
最近、ナノテクという言葉をよく耳にしますが、こうした“小さな世界”では身の回りに存在する電子や原子核(陽子+中性子)は、スピンと呼ばれる磁石としての性質を示します。「量子ドット」という小さな半導体の結晶中に閉じ込められた電子スピンを、光を使って観測・制御することが私の研究テーマです。もともと、量子論に興味を持っていたことに加え、物性研究に実験から取り組んでみたいと考えていたので、現在の研究室を選択しました。
REPORT2
電子スピンを閉じ込めることにより
量子ドットを小さな磁石として働かせる
通常、原子核は外界との相互作用が弱いため、その振る舞いをじかに操作することは困難とされています。しかし光による制御が可能な電子スピンを量子ドット中に閉じ込めることで、電子とドットを構成する原子核との相互作用が強くなるため、原子核のスピンも制御できるようになり、量子ドットがナノサイズの小さな磁石として働くようになります。原子核スピンの作る磁場が、光の強度に対してスイッチのように振る舞うことが確認されています。
REPORT3
さまざまな量子コンピュータを
光という共通の媒体で繋げる
近年、電子や光、原子核などを用いた「量子コンピュータ」(量子力学的な性質を利用した演算器)に関する研究が科学誌の紙面を賑わせています。個々の量子コンピュータは、構成要素に応じた長所と短所を持ちますが、それらを光という共通の媒体で繋ぐことで、おのおのの長所を発揮できるシステムの構築が考えられています。このシステムにおいて、量子コンピュータ間の光信号を増幅させる中継器として、量子ドットの利用が提案されています。
REPORT4
研究発表や他の研究者と交流できる
学会への参加が毎回楽しみです
研究室に配属されると、自分の研究について学会で発表する機会が与えられます。研究成果を多くの人に知ってもらうことはもちろんですが、その分野の第一線で活躍する研究者との議論は、新しいアイディアを得る上でも、自分が取り組んでいる研究の意義や世界的な位置づけを確認する上でも重要な役割を果たしています。どうしても学内にこもりがちな研究生活の中で、学会発表とそれに伴う出張は毎回、良い刺激を受ける場となっています。
- REPORTER 1
応用物理学専攻
半導体量子工学研究室
博士後期課程2年
鍜治 怜奈 - REPORTER 3
人間機械システムデザイン専攻
ロボティクス・ダイナミクス研究室
修士課程1年
片山 恭平 - REPORTER 5
建築都市空間デザイン専攻
都市防災学研究室
修士課程2年
重藤 迪子
- REPORTER 2
総合化学専攻
界面電子化学研究室
博士後期課程2年
小山 瞬 - REPORTER 4
量子理工学専攻
量子放射線科学研究室
修士課程1年
山口 孝幸 - REPORTER 6
環境創生工学専攻
水質変換工学研究室
博士後期課程1年
木村 善一郎