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博士交流セミナー「私たちは何を目指す?」

三上研究科長による開会の挨拶
三上研究科長による開会の挨拶
 博士交流セミナー「私たちは何を目指す?」が平成20年11月28日(金)に工学研究科および情報科学研究科の共催で開催されました。このセミナーは、博士後期課程の大学院生や博士後期課程に進学しようとしている修士課程の大学院生を対象とし、大学院生同士の交流と将来に対する前向きなビジョンの構築を図ることを目的としています。このセミナーは、平成16年度~平成19年度まで、文部科学省の特色ある大学支援プログラム(特色GP)の一つとして、8大学工学部長懇談会の下、8大学の工学系研究科・工学部がコアリッションを組んで実施されていた大学教育推進プログラム「コアリッションによる工学教育の相乗的効果」の事業の一つです。文部科学省からの支援は終了しましたが、今年度以降、8大学連携の下に事業を継続することになっています。
 セミナーには、本学工学研究科、情報科学研究科、室蘭工業大学および北海道工業大学の大学院生約20名が参加しました。
 三上工学研究科長による開会の挨拶では、修士課程から博士後期課程への進学の状況が説明され、もっと多くの修士課程の学生に博士後期課程に進学してほしいというメッセージが送られました。
 続いて、教員世話人による4つの講演が行われました。「私たちの未来」と題した最初の講演では、現在人間社会が抱える人口増加等の問題が紹介され、地球温暖化だけではなくさまざまな問題があることを認識して進路を考えてみてはどうかという提案がなされました。2つ目以降の講演では、教員が自らの体験に基づき、博士号を取ることの意味、博士後期課程の3年間と企業の3年間との研究環境などの比較、博士後期課程の大学院生の就職活動などについて語られました。
 次に、4つのグループに分かれて、現在博士後期課程の大学院生が抱えている問題点、修士課程の大学院生が進学するにあたっての問題点や、将来への不安や期待などについてグループ討論が行われました。グループ討論終了後に、それぞれのグループで、討論の結果を全体討論で発表し、熱心な議論が行われました。
 討論では、例年、学費の問題や就職への不安が話題に上りますが、今回は、指導教員の異動という問題が取り上げられました。
 また、ある参加者は、博士後期課程へ進学するか否かでかなり深刻に悩んでいましたが、博士後期課程の学生との討論の過程で、博士後期課程に進学するか否かがその後の人生をすべて決めるわけではないという考え方ができるようになり、ずいぶん気が楽になったようでした。
 セミナーは宮永情報科学研究科副研究科長の挨拶で閉会し、その後の交流会では、打ち解けた雰囲気でさらに突っ込んだ議論も行われました。
 工学研究科および情報科学研究科では、今後もこのセミナーを毎年開催する予定です。博士後期課程に進学しようかどうか迷っている修士課程の学生に是非参加していただきたいと思います。また、このセミナーの全国版である8大学博士学生フォーラムが来年度は東北大学で開催されます。こちらへも多くの大学院生に参加してもらいたいと思います。

(博士交流セミナー教員世話人 藤井義明) 北海道大学・東北大学・東京大学・東京工業大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学

全体討論の様子
全体討論の様子
グループ討論の様子
グループ討論の様子