先輩・卒業生の声(インタビュー日:2024年6月)

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博士課程1年生 安河内 隆仁
「工学分野から環境のことを考えてみる」
※学年は2024年6月当時のもの
インタビュー

博士課程の生活について教えてください。

博士課程では自身の研究テーマに集中して向き合っています。研究に向けて、実験・解析や関連分野の勉強などを進めています。また、研究室内外で様々な研究者と議論することで得られることも多くあります。

研究テーマの紹介をお願いします。

福島原発事故で発生した除染廃棄物の最終処分に向けて、廃棄物に含まれる放射性Csの溶出を抑制する技術について研究しています。数百年間にわたり放射能を保つCsを安全に処分するため、廃棄体は長期間にわたりCsを留めておくことが必要です。私の研究は、廃棄体からのCs溶出メカニズムを解明し、長期間にわたるCs溶出現象の予測を行うことです。

現在取り組んでいる研究を行うにあたって、コースの講義内容で活かされたことを教えてください。

特定の系における物質収支を考えるという基本的な考え方は、複数の講義で繰り返し強調されました。基本的なことではありますが、研究を進める上で非常に重要なことだと感じています。また、私の研究分野は廃棄物処分ですが、講義では水・熱・大気環境についても学びました。幅広い知識を持っていることは、研究において知らない分野を学習する際の最初のハードルを下げることに繋がっています。

大学院在学中に経験したことで印象に残ったことを教えてください。

学会に参加した際は同じ分野の研究者と幅広く知り合うことができました。様々な研究者と交流することで研究について新たな着想を得ることがあり、また研究のモチベーションが上がりました。科学者コミュニティの末端に属したような心地がしたことが印象的でした。

学部・コース配属の際に環境工学コースを選んだ理由を教えてください。

山や海で遊ぶことが好きで、自然に対する漠然とした愛着を持っていました。その内に、人間と自然の関係性というものに興味を持つようになりました。工学という分野から人間と自然の関係に関わっていくことに魅力を感じ、環境工学コースを選びました。

環境工学コースの魅力は何だと思いますか?

環境工学コースでは様々な分野の知識を学ぶことができる点が魅力だと感じています。自身の研究に直接関わらないと思われる知識でも、研究を進める中で意外な所に関連性を見つけることがあります。専門外の知識を多少なりとも持つことで、広い視野で自分の研究と関連分野を捉えることができるようになりました。

博士課程に進学した理由と、将来の進路をどのように考えているか教えてください。

純粋に研究している時間が楽しくて、博士課程への進学を決めました。実際の博士課程では大変なことも多いですが、研究を進める時間は充実したものとなっています。将来は研究職に就くことを考えて準備を進めています。

後輩たちにメッセージをお願いします。

環境に対する漠然とした関心を持っているのであれば、環境工学コースの多様な対象の内から自分の本当の関心を見つけられるかもしれません。ぜひ説明会や研究室訪問に参加してみてください。

ある1日のスケジュール

パンフレット
 
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ニュース
  • 本コースへの寄附のお願い
    本コースでは、「衛生工学・環境工学教育基金」を立ち上げました。
    新入試制度(フロンティア入試タイプII)により環境工学コースに入学した学生への奨学金給付、および学部教育用設備の更新や博士後期課程に在籍する学生への経済的支援などに有効に活用させていただきます。
  • 2025.02.12
    中島芽梨さん、佐藤久教授(水環境保全工学研究室)と、産業技術総合研究所、海洋研究開発機構、東北大学の研究グループが、メタン生成アーキアに寄生する超微小バクテリアの培養に成功した研究論文について、プレスリリースを行いました。
  • 2024.1.8更新
    北島正章准教授(水質変換工学研究室)が、新型コロナウイルスの下水調査に関して、複数のテレビ番組、新聞等に登場しています。
  • 2023.07.28
    石井一英教授(循環共生システム研究室)が、株式会社クボタ様作成の『2050年未来会議「食料・水・環境」を本気で考える』(Newspicksのネット番組)に出演しました。
  • 2023.07.27
    北島正章准教授(水質変換工学研究室)らの研究グループが、下水中の新型コロナウイルス濃度が医療機関における感染者数の指標になることを証明し、本研究論文についてプレスリリースを行いました。
  • ニュース一覧

    受賞
  • 2025.3.18
    浅川高志君、小崎華怜さん、平田蒼太朗君、福井健暉君、郷義基君、中川直樹君、山下颯斗君(環境リスク工学研究室)が、水環境学会年会にてクリタ賞(浅川君、小崎さん、平田君、福井君)、ライオン賞(郷君、中川君、山下君)を受賞しました。
  • 2025.3.18
    髙井麻帆さん(水環境保全工学研究室)が、水環境学会年会にてクリタ賞を受賞しました。
  • 2025.3.18
    水落望乃香さん(水再生工学研究室)が、水環境学会年会にてクリタ賞を受賞しました。
  • 2025.3.18
    池田澪さん、宇貫真布さん(水質変換工学研究室)が、水環境学会年会にてライオン賞を受賞しました。
  • 受賞一覧

    衛生工学・環境工学教育基金
     
    衛生工学シンポジウム