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凍結融解作用を受ける地盤災害の発生メカニズム評価に関する研究

北海道のような寒冷地域は夏季と冬季での気温差が大きく、土構造物にとって厳しい気象条件にあります。

冬期間には、地盤内に含まれる水分(間隙水)が凍結し膨張することで密度または土粒子配列(土の構造)が変化することが考えられます。さらに、冬期間に凍結した水分が春季に融けることで、いわゆる地盤が緩む状態になります(凍結・融解の影響)。その状態で急な降雨や大きな地震が起こると容易に地盤崩壊が生じます。
このような地盤の挙動に及ぼす凍上または凍結融解の影響を土工設計や道路通行管理の際に考慮するための手段を見出す研究を行っています。

この研究では、多種多様な土質のうち、主に北海道に広く分布する火山灰土地盤を対象にして調査・研究を進めています。
火山の噴火活動により堆積した地盤は、その粒子の特異性(粒子が破砕しやすい、多孔質である等)を有するため、他の地盤の場合に加えて更なる技術的配慮が必要とされます。そのような地盤にも対応するために、精密な実験装置を用いた強度・変形特性を調べる必要があります。

さらに、地盤の凍上・凍結融解現象も再現可能な熱伝導・応力・浸透連成解析用のソフトウェアの開発を進めております。この解析ソフトと実験から求めたパラメータを用いて、現地で生じる地盤の動きを予測することも可能となります。凍結した地盤が融解し始める初期段階において、斜面内部に凍結層(不透水層)が残存していると、これをすべり面とした斜面表層崩壊の生じる可能性が高くなることが明らかとなっています。

関連する装置等