特集2 ーこれがわたしの研究室ー

大学院生活って? 研究内容や研究室の雰囲気はどんな様子?
3人の大学院生に、それぞれの研究室を紹介してもらいました。

REPORTER 3

榊 祥太

総合化学院 総合化学専攻
有機元素化学研究室
博士後期課程1年

小島 遼人 Ryoto Kojima

[PROFILE]
◎出身地/北海道・札幌市
◎趣味/将棋、ピアノ、読書

REPORT1 まずはそれぞれ研究テーマを紹介
人々を健康にする医薬品づくりのために

 医薬品合成の現場では、よく有機合成が用いられています。私はもともと医薬品などを通じて人類の健康に寄与したいと思っていて、また学部生のときに有機化学の科目や実験が好きだったこともあって、現在所属している研究室を志望しました。実際に研究室に入ってみると、非常にハイレベルな研究が展開されており、また先生や先輩も気さくな方ばかりで過ごしやすく、この研究室を選んで本当によかったと思っています。


▲ 実験室の風景(引っ越ししたため非常にキレイ!)

REPORT2 具体的にはこんな研究をする日々です
新しい有機ホウ素化合物を合成する

 有機ホウ素化合物は、医薬品や分子認識材料の部分構造に見られる非常に有用な化合物です。2010年に鈴木章名誉教授がノーベル化学賞を受賞する理由となった「鈴木カップリング反応」にも必要な化合物であり、この反応を用いて多くの医薬品が合成されています。私の所属する研究室では、遷移金属の一つである銅を用いた触媒が、有機ホウ素化合物の合成に対して有効であることを世界で最初に報告し、この手法を用いて新しい有機ホウ素化合物の合成を行っています。


▲ 私の研究室で合成に成功した新しい有機ホウ素化合物

REPORT3 実用化の可能性など研究がめざすもの
有機合成の可能性を広げたい

 新反応の開発や有用な新規有機化合物の合成といった研究は、世界各国で盛んに研究されていますが、実現できていない反応、合成できていない化合物はまだまだ数多くあります。現在私が研究しているのは、これまで合成が比較的難しいとされてきた化合物群の合成を可能とする反応です。私が開発した反応を使って実際に有用な医薬品が作られること、それが将来の目標です。


▲ 新反応の開発を夢見て今日も実験・・・!

REPORT4 研究室の外ではこんなワタシです
初めての海外留学

 2015年8月から10月にかけての3ヶ月間、カナダのクイーンズ大学に短期留学し、これまでとはまったく違うテーマで研究を行ってきました。英語でのコミュニケーション、異なる実験環境など、当初は戸惑うことも多かったのですが、ペアを組んだ学生と積極的にコミュニケーションを取ることで、納得のいく研究成果を挙げることができました。今回の留学で学んだことを、今後の研究生活等に生かしていきたいと考えています。


▲ 留学先の教授(中央)とペアを組んだ学生(右)

Schedule during a day ■ ある一日のスケジュール

  • 佐藤 諭佳REPORTER 1
    北方圏環境政策工学専攻
    構造システム研究室
    修士課程1年
    佐藤 諭佳 Yuka Sato
  • 榊 祥太REPORTER 2
    量子理工学専攻
    プラズマ物理工学研究室
    修士課程2年
    榊 祥太
  • 小島 遼人REPORTER 3
    総合化学院 総合化学専攻
    有機元素化学研究室
    博士後期課程1年
    小島 遼人