北海道大学大学院工学院 | 構造デザイン工学研究室

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固有振動解析

吊橋や斜張橋といった複雑な挙動を示す構造物の特性を知るには、固有振動解析が有効であることが知られています。 固有振動解析とは、構造物の振動がどのようなモード成分で構成されているかを知ることであり、構造物の動的照査を行う上で固有振動解析は欠かすことができません。 また、一般に構造物が振動する場合、1つの振動成分だけでなく様々な振動モードが交じりあって振動しています。 これは吊橋、斜張橋といった大規模で複雑な構造物になればなるほど数多くの振動モードで振動が構成されることになります。 つまり、構造物の振動特性を知ることで、地震時の振動パターンを容易に判断することができ、風荷重や交通荷重等から構造物を守る設計も可能にします。 そこで構造デザイン工学研究室では、以下のような研究を行っています。

合成2主桁橋の固有振動特性と剛性評価に関する研究

近年の公共事業のコスト縮減、地球環境への配慮など多くの新たな課題が発生してきてるなかで、PC床版を有する2主桁橋を代表とした合理化橋梁の建設事例が増加してきています。 PC床版2主桁橋はPC床版を用いることにより主桁間隔を広くし、主桁の少数化と断面の大型化による部材数の低減を可能にしています。 しかし一方では、合成2主桁橋は従来の桁橋に比較して縦長の断面を有しているため、総幅Bに対する有効高Dの比B/Dが3以下となることが多く、空気力学特性の点で問題となる可能性があります。 また、横構が省略され、基本的に開断面であることから、多主桁橋と比べてねじり剛性が低い構造であるといえます。 一般に耐風安定性を議論する場合、ねじり振動数が問題になります。 本研究ではPC床版を有する2主桁橋を解析対象とし、その固有振動特性を高次モードまで算出し、新しい部材を設置することで問題になるねじり振動数を向上させ、風に対して安定な合成2主桁橋の設計を目的としています。

撓度理論による吊橋の三成分固有振動解析に関する研究

撓度理論とは吊橋の補剛桁の変位とケーブルの変位が等しいと考え支配方程式を導いた理論で、撓度理論の確立によって長大な吊橋の架設が可能となりました。 また撓度理論を用いることにより、補剛桁やケーブルに関してひずみエネルギー、運動エネルギーを求め、これら支配方程式を解くことにより固有振動数を算出することができます。 本研究では、非対称支間長を有する吊橋を解析対象とし、撓度理論に基づいた固有振動解析を行い実測値との比較によって、非対称支間長を有する吊橋における撓度理論の適用性について考察することを目的としています。

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