特集2 ーこれがわたしの研究室ー

REPORTER 2

青山 祐介

工学院
エネルギー環境システム専攻
エネルギー変換システム研究室
博士後期課程2年

青山 祐介 Yusuke Aoyama

[PROFILE]
◎出身地/北海道札幌市
◎趣味/ドライブ、旅行

REPORT1 まずはそれぞれ研究テーマをご紹介
燃料電池内の水の挙動を明らかにする

 私は燃料電池内の水移動現象を研究しています。燃料電池は、水素と酸素の化学反応で電気を生み出す電池で、発電時に水しか副産物を生成しない環境性能の高さから次世代の動力源として期待されています。一方、電池内の水分管理には課題が残っています。発電で生成される水は、性能を維持するためにある程度の量を電池内に留めておく必要があるのですが、過剰な水分の滞留は性能低下を招きます。そのため、水移動現象の把握が求められています。


▲燃料電池の構造と反応

REPORT2 具体的にはこんな研究をする日々です
水を氷に置き換え、生成水の排出機構を観察

 燃料電池内には水分管理を担う微細な多孔質層があり、その内部における水の排出や滞留機構を調べています。電池内の水輸送はマイクロ・ナノスケールのとても小さな現象のため調べることが大変難しいのですが、私たちの研究室では、燃料電池を急速に冷却して内部の水を氷に置き換え観察するという、非常にユニークな手法を考案しました。この手法によって、世界的にも珍しい電池内の詳細な生成水分布を得ることができました。


▲燃料電池内の水輸送現象観察

REPORT3 実用化の可能性など研究がめざすもの
燃料電池の更なる普及と高出力化を目指して

 燃料電池内の水移動機構を解明し、更なる高出力化を目指します。水移動機構を解明できれば、水分管理をより効率的に行える電池の開発が可能です。効率的な水分管理は電池の高出力化やコストの削減にも有効なので、ひいては燃料電池の普及促進にも繋がるでしょう。本研究で得られた知見が将来の燃料電池技術の礎となり、自動車をはじめとした様々な分野で燃料電池が実用化されることを夢見て、日々研究に取り組んでいます。


▲燃料電池の普及例:燃料電池自動車

REPORT4 研究室の外ではこんなワタシです
国際学会をきっかけに知る、海外の世界

 国際学会では、発表や聴講を通して世界中の研究者と交流できると同時に、世界各国の文化や雰囲気に触れることもできます。修士課程在籍時に初めて参加した国際学会は、初めての海外だったこともあり、発表はもちろん見るものの全てが新鮮で刺激的でした。それ以来、国際学会への参加が研究のモチベーションの一つになり、また、研究室外でも海外旅行に行くようになりました。在学中にあと何カ国を訪れることができるか楽しみです。


▲国際学会で訪れた国々

Schedule during a day ■ ある一日のスケジュール

  • 阿尻 大雅REPORTER 1
    総合化学院 総合化学専攻
    生物計測化学研究室
    修士課程1年
    阿尻 大雅
  • 青山 祐介REPORTER 2
    工学院
    エネルギー環境システム専攻
    エネルギー変換システム研究室
    博士後期課程2年
    青山 祐介
  • 伊地知 朗REPORTER 3
    工学院
    環境創生工学専攻
    大気環境保全工学研究室
    修士課程2年
    伊地知 朗