社会基盤学コース 世界を結ぶ未来社会をデザインする

世界では今、市民生活の質の向上のために社会基盤の構築が活発に行なわれています。同時に、市民生活を自然災害から守り、人類活動と自然環境の融合のためにも社会基盤は不可欠です.社会基盤の構築は経済活力の創出に役立ちますが,社会基盤の長期的な維持補修を経済活力を保持しながら進める知恵も世界中で求められています。21世紀における持続的発展が可能な社会の実現を目指して、社会基盤のシステムや各構造物のパブリックデザイン、防災技術、環境保全・再生および資源循環など多岐にわたる国境を超えた課題解決が必要となっているのです。

本コースでは、こうした社会基盤のプロジェクトに携わる国際的人材を育成します。土木工学を基礎として、安全で快適な市民生活に必要不可欠な空間・環境を創造するための基盤となる諸施設の計画、建設、維持補修、再生に関する技術を学び、自然環境と共生できる社会基盤を作るための基礎学力を身につけます。そして、創造性・論理性・国際性・コミュニケーション能力豊かな技術者や研究者となる,「技術の国際化」に適した人材を育成します。

上記の目的のために,2012年度からコースの国際プログラム化を,北海道大学の学部プログラムとして初めて開始し,多くの科目が英語環境下で開講されています.合わせて,コースの在学生の海外留学派遣,海外のトップ大学からの留学生の受入れを積極的に進めています.学部の国際プログラム終了後は,英語による教育がさらに充実している大学院への進学が期待されています.

こんな人におすすめ

国内外をフィールドとして、地域・都市計画などに携わってみたい人、橋やダムの設計をしてみたい人、交通・環境のモニタリングやコントロールなどに興味がある人、それらをすべて含んだようなプロジェクトに興味のある人はもちろん、それらの技術1つ1つを深く掘り下げて学びたい人にもおすすめです。力学のような自然科学に限らず、経済学・歴史学のような社会科学や人文科学まで、広い視野で学びたい人に適したコースです。

卒業後の進路

国家公務員・地方公務員・シンクタンク・コンサルタントなどにおける政策立案者、JR・電力・高速道路会社・建設業などにおける専門技術者、大学や研究所などでの教育・研究者、デベロッパーや国際協力機構などにおけるプロジェクト担当者など幅広い分野で活躍しています。

先輩の声

大学院工学研究科環境創生工学専攻 修士課程1年 澤部 智子(北海道北広島高等学校出身)

私は、高校時代理数系だったことと、北大に憧れていたので、“なんとなく”北大工学部を受験ました。また、人数が多くその他大勢でいられると思ったので、“なんとなく”このコースを選びました。

しかし、このコースではチームで作業することが多く、手を動かしながら楽しくやっていくうちに、それまで“なんとなく”流されてきた私も次第にやる気がでてきました。現在、私はコンクリートの凍害について研究を行っています。失敗しつつもたくさんの人に助けられながら毎日少しずつ進んでいます。

このコースでは、構造物そのものについてはもちろん、構造物に影響を与える土や水、構造物の計画など幅広い分野を学ぶことができます。その上、土木は実生活に深くかかわる学問ですので、やりがいもあります。私も将来は土木に関係する職に就きたいと思うようになりました。