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さらに、他の方の文章(論文)作成効率化方法を紹介します。
「Hacks!」シリーズ(10冊以上あります)はどれも効率的に仕事を進めるために参考になるヒントが沢山書かれています。私にとって論文作成に特に有効であったのは「整理HACKS!」「READING HACKS!」です。どのように情報を集め、保管し、すぐ取り出せるようにするか。収集した情報を如何にアウトプットに結びつけるか。といったことが書かれています。
プレゼンテーションではなく、特に論文を書く場合に、如何に効率よく情報を収集するかは極めて重要です。賛否両論あるのでしょうが、博士課程の学生がプロの研究者になる時も、PDが助教のポストを得る時も、研究者が昇進する時も、「論文の数」が重要な因子であることは疑いの余地がありません。ライバルよりも多くの論文を書くには、効率よい情報収集能力が不可欠です。
ここで論文を書き始める時について考えてみます。
他のページで論文(プレゼンテーション)は結論から考える、と書きました。これを行うために、実験が終わったら生データを俯瞰し、ストーリーを考える、と書きました。
という事は、実験が終わった時が論文書き始めのタイミングでしょうか?
私は論文作成は「実験をする前」から始まっていると思います。
私も実際にはなかなかできませんが、実験を始める前、理想的には研究テーマを考えるときに、同時に最終的に完成する論文をイメージし、その論文の図1から図5くらいまで(大体論文は図が5つくらいだと思います)を考えてしまうのが良いと思います。
経験上、論文は、書こうと思わないと書けないと感じています。山のような多量のデータを目の前にして、「さて論文を書こうか」と思っても、書けるものではないと思います。
論文はストーリが大切ですので、一つ一つのデータをきっちり取るだけでなく、複数のデータをセットとしてとらえて、それを論理的にある順序で並べなければ論文にはなりません。
一連の実験が終わって、いざ論文を書こうとした時に使えないデータを取ってしまっていたり、取るべきデータ(グラフ)が無かったり、という経験は、論文を書いた事がある方なら有るのではないでしょうか。実験を始める前にじっくり考える事で、無駄な実験をすることによる時間のロスと、再び実験を始めるストレスを軽減できると思います。
しかしながら、実験前に思い描いていたデータセットと、実際に得たデータセットは、往々にして一致しないものです。それが研究の難しさであり、面白さだとも思います。以上が、私が考える、実験を行う前の心得です。
次に実験が終わりデータを得た後の作業について考えてみます。
ある先生が「論文を書き始める時には、まず似た論文を3つ探す」とおっしゃっていました。
私もこれを実践しています。私の場合は、少なくとも10編は探します。今は論文データベースが多数ありますので、イヤというほど自分の研究と似た論文を見つけられます。新たな研究テーマを見つけた時には「これは新規性があるのではないか?」と喜んでも、私程度の研究レベルですと必ず誰かがやっているものです。
しかし、ここでめげてはいけません。既往の論文で一つでも詰められていない部分・穴があれば、それを実験により明らかにする価値はあります。論文になる可能性はあります。データベースから論文を探す時は、合理的に探す事に気を配る必要があります。うまくサーチできないと、論文を集めるだけで何時間もかかってしまいます。
短時間に自分にとって必要な論文だけを見つけ出すには、かなりの熟練が必要ですが、(私もまだできません)
・キーワードの選び方
・データベースの選び方
・雑誌の選び方
・論文のタイトルのみで判断する技術
などが重要となると思います。タイトルだけ見て重要そうな論文は片っ端からPDFファイルでダウンロードしていきます。
私が学生の頃は、論文検索は一日がかりでした。図書館に行き、関連雑誌の目次を頭からチェックしていき、面白そうな論文を見つけたらAbstractを読み、コピーする価値があれば1ページづつコピーする。。。今から考えると恐ろしい時間のロスでした。今ではPCさえあれば自分の机でも自宅でも電車内でも、多数の雑誌を横断して論文を見つける事ができます。10編から20編ダウンロードし、読んでいきます。
一般に論文を読む目的は、
・自分の研究を深めるため(他人がどう考察しているかを知る、など)
・実験方法を真似るため
だと思いますが、論文を書く段階では、異なる目的があります。まず第一に、
自分が言いたい事を表現している英文を見つける
目的があります。「英作文は英借文」と聞いた事があります。英語で論文を書く場合、「まず日本語で論文を書いて、これを英訳する」という方法はお勧めしません。自分の英語力で書ける英文は書くとして、英語で表現する方法が分からない言いたい事が出てきた時は、そのようなことを言っている英文を見つける(=そのような英文が含まれる論文を見つける)方が意味が伝わり易いと思います。
英語共起表現