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卒論の目標

 この教育・研究目標達成のためには卒業(修了)後に社会で勝ち抜かなければなりません。従って、以下のような能力を卒業(修了)までに身につけなければならないと考えます。
  ・専門技術
  ・情報収集能力(日本語および英語)
  ・与えられた仕事を的確に素早くこなす能力
  ・プレゼンテーション能力(日本語および英語)
  ・協調性
  ・課題発見能力
  ・課題解決能力
  ・リーダーシップ
 大学は専門技術を身につける場所ですので、第一に自分の専門分野の基礎知識を身につけることが不可欠です。これは3年生までの授業でもできることですので、4年生の卒業研究では応用もできるようになる必要があります。本研究室に当てはめると、具体的には以下のようなことを身につけることが目的となります。
  ・各水質指標の意味と測定方法
  ・リアクターの運転方法
  ・サンプリング方法
  ・データの整理と解釈
これらの事ができるようになると、情報収集能力も高まります。
 情報は多いに越した事はありません。4年生の段階では日本語の教科書や論文を読んで情報収集ができればとりあえずは良いでしょう。最近は英語が得な学生が多いです。英語が得意な人はもちろん英語で情報収集しましょう。
 自分の中に多くの情報を詰め込むには、本や論文を多く読み、人に会い話をするしかありません。新規の発想も自分の中に蓄積された情報(知識)からわいてくるものだそうです(外山 1986)。ですので、得た情報は自分の中に残さないと意味がありません。得た情報を如何に記憶に残すかについては色々な方法が提案されています(例えば茂木 2007)。得た知識からどう発想するかに関する書物もあります(例えば勝間 2007外山 1986茂木 2008)。
 英語を使える様になると、英語の書物、論文、ウェブサイト、国際会議、等で情報を得る事ができる様になります。現在は日本語で書かれた情報よりも英語で書かれた情報の方が圧倒的に多いです。英語を勉強し今よりも速く読める様になれば、同じ時間でより多くの情報を獲得できます。ヒアリングができる様になれば、ウェブサイト(今は実に多くの英語の音声ソースがウェブ上にあります:英語勉強法参照)や国際学会で情報を獲得できるようになります。
 
Rainbow
 
 4年生の1年間では、与えられた仕事を的確に素早くこなす能力も身につけてほしいと思います。私は100点の仕事を1つするよりも、60点(これならばまあ合格であろうというレベル)の仕事を2つ以上するように心がけています。これが正しいことかはわかりませんが、「こう考える方が前者よりも betterである」というのが今までの経験から得た結論です。私は一般企業に勤めたことはありませんが、この考え方は大体の職種に当てはまると考えています。
 「仕事は、忙しい人に頼め」と聞いたことがあります。仕事を依頼される人というのは、今まで任せた仕事はきちんとやってきた実績がある、すなわち、仕事を的確に素早くこなす能力のある人=仕事のできる人なので、仕事を安心して任せられる、という意味なのだと思います。誰でも仕事ができる人に仕事を頼みたい。すなわち、この目標は将来仕事のできる技術者・研究者になるための目標です。実験はこの能力を身につける手段として最適なシステムです。また、4年生のうちに実験の技術を体で覚えておくことは、大学院進学後の研究をより良いものにするための必須条件でもあります。
 仕事を的確に素早くこなしたい時には「逆算をする」のが有効です。締切日から逆算し、いつまでにどこまで終わっていなければいけないかを考えることは大変重要です。
 プレゼンテーション能力も早い段階で身につけておきたい能力です。いくら良い仕事をしても、結果を人に伝えなければ何も生まれません。いくらテスト勉強をしても答案を白紙で提出しては0点です。
 良いプレゼンは様々な好機を生み出します。印象に残るプレゼンをすれば、学会で顔と名前を覚えてもらえ、就職に結びつく可能性無きにしもあらずです。国際学会では、日本の学会ではあまり無い事ですが、発表後発表内容に興味を持った人が来る事があります。これらの人とは友達になりやすく、友達ができると国際学会は大変楽しいものになります。大御所の先生方を見ていると、30年以上の付き合い、という友達を何人も持っていらっしゃる先生が少なからずいらっしゃいます。相手も、自分も、研究者として長い年月を走り続ける事は大変な事でしょうが、それが故にこのような友達との再会は大変面白い事なのではないでしょうか。研究者になった後では、発表がきっかけで共同研究に発展するケースもあります。発表は、可能な限り多くした方が良いと思います。

山登り理論〜私のプレゼン準備法〜

 
Carp
 
 工学、特に我々の分野(土木環境工学)において、協調性は非常に重要な資質です。モノ造りの仕事は多数の人間の努力の結晶の上にのみ成り立ちます。グループ内の他の人が何をしたいのか、困っていることはないか、などと想像力を働かせる必要があります。このような資質は研究室内の日々の実験生活のみならず、コンパなどの企画の準備を通しても磨くことができます。
 補足:「勝ち抜く」ということは、同じグループ(会社)内の他のメンバーを押しのけることを意味しません。理想的には、他社を出し抜くことも意味しません。他社に先んじることは必要なのでしょうが、これからの時代は他社とも協力していくことがより重要になると思われます。そうなると勝つ対象は「自分の現状」ということになります。「勝ち抜くための技術」とは、自分の能力を高め、他の人(グループ、会社)と協力し、より早くより合理的に、新しいものを作り上げる技術ということになります。
 現状を鑑みると、他国と競争するという状況が多いようです。自分が関わる分野でオールジャパン体制を築き、日本のために仕事をしてみるのも面白いと思います(福澤、齋藤 2009)。