工学部の授業紹介
モノを自然に還すということ ~廃棄物処理工学

環境工学部門 廃棄物処分工学研究室
准教授 東條 安匡
我々の生活には様々なモノが関わっています。多くのモノは自然から採取した材料に加工等が加えられて、製品として我々の生活に入ってきます。これらの製品は我々が使用したり消費したりした後、どこへ向かうのでしょうか。自然界には自然の物質循環があります。例えば、炭素は大気中の二酸化炭素を植物が固定して有機物となり、枝葉が落ちたりして土中有機物となり、最終的には微生物によって分解されて再び二酸化炭素として大気中に戻っていきます。我々も自然界から得てきたモノを環境や生物に悪影響を与えないように適切な方法で自然に還すことが必要です。自然に適切に戻せないと、海洋プラスチックのような問題が起こります。
台所にシンクと呼ばれるものがあります。最後に水が流れていくところです。物質については、ファイナルシンクという言葉があります。そこに辿り着けば、物質は最も安定して存在していられる場所という意味です。例えば塩素は海、窒素は大気、金属は地殻等です。当講義では、一般的な廃棄物の処理である焼却や埋立処分、資源化等の他、災害廃棄物の処理等についても説明し、物質を適切に自然に還す方法を学んで頂きます。
