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工学部発のア・レ・コ・レ

超高速載荷を受ける岩石や岩盤の力学特性評価・シミュレーション技術の開発

環境循環システム部門 岩盤力学研究室
准教授 福田 大祐

[PROFILE]

出身高校
愛知県立明和高等学校
研究分野
岩盤工学、資源開発工学、発破工学、計算工学
研究テーマ
大規模並列計算に基づいた三次元岩盤破壊解析シミュレータの開発

世界では資源開発や土木開発目的で発破掘削が日々行われています。発破では、100万分の1秒で数ギガPaの圧力レベルに達する“エネルギーの缶詰である爆薬の爆発現象”を用いて岩盤を高速破砕します。私はこの極めて高速かつ複雑な岩盤破壊現象を伴う“発破”に魅せられた一人です。発破では未解明な点も多く、緩やかな載荷時と比較して、爆発現象に伴う超高速載荷による岩盤の強度増加・破壊様式の変化等の観点から異なる応答を示します。私は、こうした衝撃載荷に伴う岩盤の力学特性を理解し、その知見を、高度な岩盤設計に役立てることを目指しています。

例えば、本年度からSplit Hopkinson Pressure Bar(SHPB)システムと呼ばれる衝撃試験装置(写真左)を構築しています(岩石用のSHPBシステムとしては国内唯一!)。また、こうした試験から得られる岩石の動力学特性を反映した岩盤の破壊過程シミュレータを独自開発して、世界に誇れる高品質な解析結果が得られています(写真右)。岩盤工学の適用対象問題は極めて多岐に渡りますが、岩盤の破壊過程の高度な理解は極めて重要です。今後は発破に限らず、開発シミュレータを多くの資源開発・土木開発問題に有効に活用していきたいです。

岩石の衝撃試験用SHPBシステム(左)と独自開発の岩盤破壊シミュレータ(右)