北大発:未来の「運ぶ」に挑む
インターネット通販サイトや、フリマアプリを利用した経験はあるでょうか。
スマホひとつで買い物ができ、商品はあっという間に届きます。
いま私たちの生活は「運ぶ」に支えられているといっても過言ではありません。
しかし、いまや運ぶ対象は目に見えるものだけではありません。
運ぶ先も地上のどこかとは限りません。
そんな今までにない「運ぶ」を実現するには、さまざまな理論や物理現象を実用につなげていく過程が必要です。
まさに工学の世界です。
今回の特集では、そのような新しい「運ぶ」に挑戦する、独創的な取り組みを紹介します。
TALK LOUNGE
薬の副作用対策や冬の交通事故予防に一役
「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」
これは、トヨタ自動車株式会社が生産現場で採用している生産管理手法
「かんばん方式」(ジャスト・イン・タイムとも呼ばれます)の説明に用いられている言葉です。
述語は「運ぶ」または「届ける」でしょうか。
これらの3つに、「必要な場所へ」を加えた4つの要素を、さまざまなスケールで、緻密かつ正確に実行できるようになると、
私たちの生活は大きく変わっていくことになるでしょう。
冬道での交通事故はなくなり、温暖化問題は解決され、薬の副作用に苦しむこともなくなるかもしれません。
いまは想像もできないようなマイクロデバイスが開発され、さらに、生活の舞台は宇宙へと広がっていくかもしれません。
そう、新しい「運ぶ」への挑戦が真に運ぶもの、それは私たちの明るい「未来」なのです。
コーディネーター 原田 宏幸(工学研究院 人間機械システムデザイン部門 准教授)