特集 02
ノーベル賞授賞式? The Nobel Prize award ceremony?
ノーベルウィークで得た“一生モノ”の感動
世界と自分はつながっている!
環境循環システム専攻 環境地質学研究室 博士後期課程1年
戸田 賀奈子
環境対策の研究が熱い北大へ
夢は国際機関で働きたい!
スペインでの高校時代に北大の名誉教授である鈴木章先生がノーベル化学賞を受賞されたのを知りました。そのとき、鈴木先生が在籍しておられた研究室の大学院生が「自分が関わっている研究が、こういう世界に認められる成果につながっていると実感できるのがうれしい」と取材に答えている姿を見て、北大への進学を意識するようになりました。
現在、私が取り組んでいる研究テーマは、土砂の掘削が必要な海底の堆積泥と製鉄過程で生成する副産物から成る混合土を、建設材料として有効利用することです。資源を新たに掘削する必要がなく、焼成処理も伴わないためCO2を排出しない混合土は、クリーンな建設材料として利用されることが期待されています。環境負荷を低減できる技術開発で、持続可能な社会の構築に貢献したいと考えており、将来は国際機関への就職も視野に入れながら、博士号取得を目指しています。
各国を代表する25人の仲間入り
現地の高校生を相手に研究発表も
大学には、知見を広げられる様々な公募プログラムやインターン募集の情報が集まってきます。私が指導教員の佐藤努先生から勧められたストックホルム国際青年科学セミナー(SIYSS)派遣学生の募集情報も、その一つでした。過去に北大から参加したのは2名だけと聞き、不安でしたが、何事も挑戦だと気持ちを奮い立たせて申請書類を作成したところ、日本を代表する若手研究者としてSIYSSに参加させていただくことができました。
参加するセミナーは、ノーベル賞授賞式が行われるノーベルウィークに開催されます。現地では、スウェーデンの高校生約1500名に自分の研究内容を紹介するかたわら、様々な分野の若手研究者と交流を深めることができました。ノーベル賞受賞者の講演を聞き、授賞式や晩餐会にも参加するという、まさに“一生モノ”の経験ができ、自分も世界の研究者の1人であること、挑戦は自分の知っている世界を広げてくれることを再確認できました。
大学には「できること」がたくさんあり、大学院に進学すると「できること」を自ら創造することもできます。これから進学される皆さんにもぜひ、新しいことに挑戦して最高の大学生活を送ってほしいと思います。応援しています。