特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.414 2018年04月号

新入生歓迎号特集
大学院進学のすすめ

特集 01

研究室サークル!? Laboratory club!?

研究に没頭する喜びと趣味を共有する友
大学院ならではの楽しさを満喫中!

エネルギー環境システム専攻 応用熱工学研究室 博士後期課程2年
永島 渉

[PROFILE]

研究分野
排気後処理システム
研究テーマ
銅ゼオライト系触媒を用いたアンモニアSCRモデルの構築に関する研究

研究室見学で運命の出会い
エンジン研究の奥深さに開眼

バイクが趣味で機械いじりも好きだった私がこの応用熱工学研究室の存在を初めて知ったのは、学部3年のときでした。研究室見学でエンジンが何台も並ぶ、とても“メカメカしている”光景を見て「こんな研究室があったんだ!」と驚き、ここで学びたいと即決して現在に至ります。

実際に研究室に入ってみると、一概にエンジンといっても様々な研究分野があることを知り、その奥深さに衝撃を受けました。燃費の向上に関する研究を例に挙げても、テーマは燃料の種類やその供給方法、ピストンの形状など多岐に渡っています。また、燃費や効率だけを追求してエンジンを設計すると、今度は排気を汚してしまうという新たな問題が発生します。そこで、排気管の中で排気をきれいにする触媒の研究も必要になってきます。

現在、私は自動車メーカーや触媒メーカー等との共同研究を通して、触媒を軸にしたより効率的で環境に配慮したエンジンの開発を目指し、日々エンジンを回しながら実験を行っています。実験に失敗はつきものですが、そういう時でも考察の幅が膨らみ、新たな発見のチャンスをもらったとポジティブに考えています。

図1 実験で使用するエンジン Figure 1 : Diesel engines for experiment.

エンジン好きの仲間とともに
試乗会後はツーリングへ

大学院進学に迷ったこともありましたが、大学院入試の準備に追われて卒論研究が不完全燃焼になり、「もっとエンジンのことを勉強したい!」と思ったことが、進学の決め手になりました。博士後期課程になるとさらに研究のステージは上がり、自分の知識の量も増えて議論の質がより深まります。周囲を見渡しても私のようなエンジン好きばかりなので、研究室ではいつも研究なのか趣味なのか分からないような議論がたくさん交わされています。とあるメーカーが新しい自動車やバイクを発表すると、こぞってエンジンの考察が始まり、試乗会に行ったあとは皆で自然にツーリングに行く…といった具合です。

また、学会では、自動車メーカーや関連企業の最新の研究に触れ、そこで得た技術や新しい発見を趣味と研究の両面から吸収することができるので、公私ともに非常に楽しい大学院生活を送っています。

図2 研究室メンバー(著者は前方右から2人目) Figure 2 : Member of our laboratory.