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水位センサー(レベルセンサー)の作製

はじめに

ある水位以上/以下になった場合に外部装置(=ペリスタポンプ)を稼働させる装置です。市販品はセンサー込みで2-3万円程度のようです。ここではArduinoとフロート式水位センサーを使って水位センサーを作製します。
センサー入力値に基づいて外部装置を制御する(if ○○が起きたら、○○を行うという制御)の最もシンプルなものになります。応用が利くので覚えておくとなにかと便利です。

材料

  1. Arduino UNO keyestudio UNO R3 開発ボード (ASIN B01JRFS1QI)
  2. 収納ケース
    • 100均の食品保存ケース、空きチップケースなど、Arduino、リレー基盤が入るサイズならなんでも構いません。
  3. 収納ケースへ基盤を固定するためのネジ、ナット、スペーサー類
    • M3ネジ;長さ 5 mm(秋月電子通商, P-10358), 8 mm(P-10359), 10 mm (P-03000)があればおよそ用足ります。
    • M3ナット(P-03584)。
    • スペーサー(10mm)セット (秋月電子通商P-01864)
  4. 水位センサー: 例えば、フロートスイッチ(水・薬液用) (Monotaro 33208147)
  5. センサーを取り付ける棒: 例えば、光モール ブラック丸パイプ 品番300 外形10 mm、厚さ2 mm (Monotaro 40357177)
  6. ねじ切りタップ: 例えば、タップ・ダイスセット (Monotaro 31376424)
  7. ソリッドステートリレー
    • タイマー編を参考に、リレーモジュールにコンセントプラグのオス・メスを接続しておきます。
  8. ブレッドボード:例えば、ブレッドボードBB-601 (秋月電子通商 P-05155)。
  9. 半固定ボリューム2kΩ 例えば、秋月電子通商 P-06108
  10. 電線(単芯のワイヤ): 例えば、耐熱通信機器用ビニル電線 2m×10色 (秋月電子通商 P-08996)
  11. ワイヤーストリッパー (例えば、ベッセルワイヤーストリッパー 3500E-1)
  12. ドライバー、電気ドリルとドリルビットなど汎用工具

作製方法

図のようにArduino、半固定ボリューム、ソリッドステートリレーを配線します。水位が上昇した際、水位を低下させるためにペリスタポンプを稼働します。ペリスタポンプは先の記事を参考に準備してください。

水位センサー.jpg

Arduinoに以下のスケッチを描き込み、シリアルモニタ(Arduino IDE→ツール→シリアルモニタで表示します。)を使って、測定値を表示させます。

//Arduino 水位センサー
int val=0; //測定値を格納する場所の指定
void setup() {
pinMode(8, OUTPUT); //デジタル8ピンをリレー制御用に定義
Serial.begin(9800); //モニターに出力するための設定
}
void loop() {
val=analogRead(0); //ANALOG 0番ピンの電圧を測定、valに入れる
Serial.println(val); //Valの値をモニターに出力
delay(1000); // 測定時間間隔、msec
if (val < 100) { // 水位を判定するための閾値、ここでは100に仮設定
digitalWrite(8, HIGH); //入力値が閾値以下の場合、リレーON
delay(10000); //待ち時間
} else {
digitalWrite(8, LOW); //入力値が100以上の場合、リレーOFF
//フロートスイッチの種類によってHIGH/LOWが逆転する場合があります。その場合、上のHIGH、LOWを逆転させてください。
delay(10000); //待ち時間
}
}

フロートスイッチの浮子の部分を指で上下にゆっくり動かし、ON/OFFさせます。このとき、シリアルモニタの測定値がON/OFFの間で大きく変化するはずです。変化量が小さいようなら、半固定ボリュームを回して、そこそこの変化量になるように調整します。
ON状態とOFF状態を区別するための閾値を決めます。例えば、ON状態のシグナルが600、OFF状態が100 だったとすると、閾値を300程度にしておきます。先のスケッチの閾値のところを更新し、新しいスケッチをArduinoへ転送してください。

リレーユニットのオスプラグをAC100Vコンセント(通常の壁コンセントなど)、メスプラグに適当な電気機器(携帯充電器など)を接続し、浮子を指で動かしてください。浮子が浮いた状態で充電器がONになれば、動作しています。

続いて、フロートスイッチを培養容器内に固定するため、丸パイプの先端にスイッチを固定します。フロートスイッチのネジがM8なのでM8のねじ切りタップで丸パイプの内側にネジ山を切ります。タップの使い方はネット上の動画などを参考にしてください、プラパイプなので簡単に加工できます。失敗したら鋸でパイプの先端を少し切り落として、再チャレンジしてください。1 m長のパイプなので何回失敗しても構いません。どうしてもうまくできない場合、接着剤でフロートスイッチを固定しても構いません。

フロートスイッチを回路から取り外し、丸パイプの内側に設置します。パイプの長さは設置する水槽に併せてカットしてください。Arduino、リレーユニット、ブレッドボードが収納ケースに収まるように加工して完成です。