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工学研究的フリートーク。

工学部の授業紹介

宇宙工学の現実世界への入口
An entrance to “real world” of space engineering

機械宇宙工学専攻 宇宙探査工学講座(所属:JAXA宇宙科学研究所)
客員准教授 丸 祐介 MARU Yusuke

[PROFILE]

出身高校
北海道札幌北高等学校
研究分野
宇宙輸送システム
研究テーマ
エアブリージングエンジンなど、大気を利用した宇宙輸送システム
研究室ホームページ

JAXA宇宙科学研究所に所属する筆者は、宇宙探査工学講座の客員教員を務めており、年1回2コマの講義がタスクの一つです。

私は普段、様々な宇宙科学ミッションのプロジェクトの中で活動しています。そこでは、様々な制約がある現実の世界において、実体のあるモノ(システム)が創り上げられ、取り回されています。モノとは、例えば探査機がわかりやすいですが、これだけではなく、ロケットや通信設備、さらに上流での意思決定など、挙げればキリがありません。現実世界の宇宙工学の最終形態は、複数のシステムから構成される実体のあるシステムです。

受講する大学院生は、個別のテーマをもって研究を行っています。未知なる現象の解明に局所的な視点で取り組むことは、極めて重要です。一方で、宇宙工学のゴールは、システムにあります。自分の研究の全体システムでの位置づけや役立ち方をイメージできれば、モチベーション向上になるでしょうし、個々の研究と全体システムの双方の価値向上に繋がるはずです。

宇宙工学の目的が現実世界のシステムにあることを認識してもらい、自分自身の研究が、どのように役立つのかを改めて考え、その価値を再認識し、より研究に励んで頂けたら、私のタスクは大成功です。

講義後に撮影した集合写真。筆者は、、、敢えて言わなくてもわかりますね(悲)