企業で働くということ

私が今携わっている検討の一つに、ディープラーニングによる画像弁別があります。学生のときに無機化学を専攻していた私にとって、機械学習は全く未知の分野で、少し怖くて、とても面白く感じます。

人間であれば1秒で見分けられるイヌとネコを、機械はどのように識別していると思いますか？ まず、1枚の画像を1ピクセルごとの数字の羅列にし、次に画像の特徴を強調させる行列を全体にかけたり、隣のセル同士の差をみたり、いくつかの周辺セルの平均値をみたり……そんな風に深く深く計算し、作り出した数字の羅列のベクトルでどのカテゴリーに近いか判断しているそうです。

人間はもちろん、このような目から入る情報を数値化する処理をしていませんが、目からの情報を過去の記憶で補うことで正解を導くことができます。物理化学を専攻していた同期と「結局、人間の脳って凄すぎる！」と言いながら、私たちは日々検討を進めています（笑）。

会社に入って、大学の研究で学んだ無機化学の分野に加え、高分子、界面、情報、機械など、より広い分野の知識が必要になりました。そんなときは、周りのいろいろな専攻・専門の人から、得意分野の知識を分けてもらいながら進めています。

未知の社会人生活に不安を覚えることもあるかと思いますが、社会人は想像しているよりも楽しいことがたくさんあります。残りの学生生活も、その後の社会人生活・研究生活も、ぜひ前向きに頑張ってください！