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【第3回】大野池

環境循環システム部門
准教授 中島 一紀

工学部の私たちにとっても馴染みのある大野池。春夏秋冬で様々な顔を見せ、北大を訪れた人々を癒してくれます。

工学部の南側に位置する大野池のことは多くの人が知っていますが、いつも何気なく通り過ぎることがほとんどではないでしょうか。池のほとりまで下りていくと、ここが札幌の市街地であるということを忘れるくらい自然豊かな池であることに気づきます。Googleマップで“オンライン探訪”をしてみると、大野池にはたくさんのコメントが寄せられ、北大を訪れた多くの人々がこの池に立ち寄り、癒されていることが分かります。

もともと牛馬の飲用や実験農場の取水源として利用されていたこの池は、高度経済成長に入った昭和30年代頃を境に非常に汚れた泥臭い湿地となってしまいました。そこで、工学部の大野和男教授により、この変わり果てた池の再生に取り組む“プロジェクトX”が始まります。その尽力により池は少しずつ再生されていき、その後「大野池」と呼ばれるようになったそうです。自然環境の破壊は工業(工学)の発展に起因することが多くあります。しかし、破壊された自然を元に戻す、あるいは破壊されないようにする技術も工学の為せる業です。大野先生は、工学者としての意識と熱意と可能性を後世に伝えるべく、池の再生に取り組まれたのかもしれません。

池の周りには遊歩道や木製のベンチも整備されています。春の温かい日に近くのショップで買ったコーヒーとアップルパイを持って、自然豊かな大野池のほとりで野生の鴨やスイレンを眺めながらホッと一息ついてはいかがでしょうか?

一面雪で覆われた冬の大野池
暖かい時期になると感じる様々な水生植物・生物の息吹