工学部発のア・レ・コ・レ
北海道大学医学部百年記念館
HOKKAIDO UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE CENTENNIAL HALL
工学研究院
建築都市空間デザイン部門
空間計画分野
建築デザイン学研究室 教授
小澤 丈夫
工学研究院
建築都市空間デザイン部門
空間計画分野
都市地域デザイン学研究室 准教授
小篠 隆夫
2019年10月、医学部創立100周年を記念し、北海道大学医学部百年記念館が竣工しました。このプロジェクトは、2015年から医学部によって計画が進められ、サスティナブルキャンパスマネジメント本部の助言を受け、工学研究院建築デザイン学研究室・都市地域デザイン学研究室の教員と大学院生が、デザイン検討を行いました。
まず、同窓生が集い交流する場が、大きな屋根の下でひとつにまとまる建築を構想しました。さらに、伝統を重んじつつ、たえず時代の先端を歩み続ける医学部の姿勢を表現するために、わが国において長い伝統をもち、近年、国内外で新たな可能性と挑戦が注目されている木造建築としました。
この建物では、道産木材を使用した現代の架構表現として、カラマツ集成材を主材とし、4本の材を束ねた組柱に、伝統的な寺社建築に用いられてきた“斗栱(ときょう)”の構法を柱頭に援用したものを組み合わせています。組柱は、吹き抜け空間に立ち上がり、中央通り沿いにたつ樹木と呼応しながら、様々な出会いと活動の場となるホールを印象的な空間にしています。
このような記念館を、医学の教職員、工学の教員・学生、施設部職員が協力し実現できたことは大きな喜びです。本百年記念館が、これからの医学発展のプラットフォームになるとともに、本学札幌キャンパスの魅力を高める新たなランドマークとなることを願っています。