特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.413 2018年01月号

インフラテクノロジー開発拠点、いよいよ稼働

現在、日本では気候変動下で激化が予想される自然災害や、
将来のサステナブル社会に向けて不可欠なエネルギーシフト、
そしてグローバル化が進む一方で歯止めがきかない人口減少、
少子高齢化など様々な社会問題を抱えています。
未来の都市は、これらの多様な問題を克服する新たなインフラテクノロジーによって、
今とは全く違う形になっているかもしれません。
北海道大学大学院工学研究院では、都市・社会をつくる学問や土木工学をさらに進化させるため、
「自然災害適用領域」「先端社会システム領域」「社会基盤マネジメント領域」の3つの研究組織の下で、
新たな研究開発を進めています。

本号では、これら新たな研究を支援し、
未来のインフラテクノロジーを開発する拠点として竣工した土木工学研究棟の高度な研究環境を紹介し、
そこで進められている応用研究を解説します。

TALK LOUNGE

未来社会を切り開く土木工学のニューパワー

地球についての理解、自然との対峙が社会を創る

太古の時代から、地殻変動、水循環を経た自然現象の下に社会は創られ、これからも同様に地球の変化に応じて社会は形を変えていくことでしょう。現在の地球を知り、将来の自然を予測するという、この社会基盤を創る原点を地盤及び河川の観点から探る研究を紹介します。

インフラテクノロジーの世界展開は日本を救う

日本が誇るインフラ技術の発展途上国等への国際的技術移転は、単なる国際協力の枠を超え、日本の産業・経済にも大きく影響します。日本の各メーカーは海外に多くの工場を構えて国際展開しており、例えば、2011年に発生したタイのチャオプラヤ川の洪水で受けた日系企業の被害額は9000億円にも及びます。
インフラ技術移転を促進し、世界の安全安心社会を実現するためのグローバルな研究を紹介します。

コーディネーター 渡部 靖憲 (工学研究院環境フィールド工学部門准教授)