How weird is your shape?
トポロジーの科学と技術

メビウスの帯
メビウスの帯
NbSe3のメビウス結晶
NbSe3のメビウス結晶
NbSe3のリング結晶
NbSe3のリング結晶
光の渦
光の渦
液晶のトポロジー的欠陥
液晶のトポロジー的欠陥

※写真をクリックすると拡大します。

「ドーナッツとコーヒーカップは同類だ!」と言ったら、不思議に思うでしょうか?でも「トポロジー」と呼ばれる分野では、これらを「同類」と見なすのです。その理由は、どちらも「穴」が一つだけあるということです。もし、粘土でドーナッツの形を作ったら、これを穴を無くさないように少しずつ変形して、コーヒーカップの形にすることが出来る、という意味で同じだと考えるのです。

トポロジーは数学の一分野として発展してきましたが、現在ではアインシュタインの一般相対性理論をはじめ、物理学の様々な最先端分野に利用されるようになっています。

私たちの「応用物理工学コース」では、このトポロジーを、物質、情報ネットワーク、経済、そしてコンピュータなどを広い視点から理解する研究に応用しています。その例を2つ紹介しましょう。

結晶の形状と性質:「メビウスの帯」を知っている人もいるかもしれません。これは紙の帯を180度捻ってつなぎ合わせるとできるのですが、裏と表の区別が無くなってしまうのが面白いところです。このような形状を人工的に作るのは簡単ですが、自然にできることはちょっと想像しにくいかもしれませんね。

しかし、このような形状の結晶が存在することを、「応用物理工学コース」は世界に先駆けて発見しました。現在、この面白い形状の結晶が持つ性質を、精力的に研究しています。

光と音の渦:台所のシンクに溜まった水が排水溝から流れ出る時、渦ができることは知っていますね。では光や音が流れる時に、このようなことは起こるのでしょうか?渦の中心は、数学的に言えば「特異点」という特殊な点として考えることができます。実はこの特異点は、光と音の場合にも、水の場合と同様に存在し得ることがわかっているのです。 「応用物理工学コース」では、光と音の渦の観測を目指して、研究を行っています。