応用物理工学の役割

応用物理工学は、全てのサイエンスの基盤である物理学を工学的に応用し、社会に役立てることを目指す学問です。その成果は、実は皆さんの身近にあるコンピュータ、携帯電話、光通信、コンパクト・ディスク、液晶テレビなど、様々な製品に生かされています。

実際には、製品の中に閉じ込められているのであまり目立たないのですが、これらの製品で使われている最先端のテクノロジーは、物理学と工学とを結びつけることで生み出されてきたのです。

応用物理工学の広がり

国際的な研究討論

応用物理工学が対象とする範囲は幅広く、感じる面白さも人によって様々です。教員には応用物理工学を学んだ人はもちろん、物理学科出身や電子工学出身の教員もいます。また企業に勤めた経験のある教員も少なくありません。

物理的な現象の追求に興味を持つ人からテクノロジーへの応用に興味を持つ人まで。いろんな興味を持つ人を受け入れる懐の深さが、応用物理工学の特徴の一つです。

私に、僕に、向いている?

物理学が好き。
物質の性質を究めたい。
化学や生物を深く理解したい。
エレクトロニクスに興味がある。
物理が好きだけど、就職も大切。
大学・研究所・産業界で思う存分活躍したい。
そのような様々な人達が応用物理工学コースで学んでいます。

[受験生の皆さんへ] 興味を持ったら?

入試情報を参考にして、ぜひ受験を検討して下さい。応用物理工学コースへの進学についてご質問がある方は、遠慮無くこちらまでご連絡下さい。

応用理工系学科について

にぎやかな先生に教わる

応用理工系学科は応用物理工学コースの他に、応用化学コースと応用マテリアル工学コースの、合わせて3つのコースで構成されています。高校の「物理」と「化学」はずいぶん違った学問に見えるので、なぜこのようなコースが一緒になっているのか疑問に思う方もいるかもしれません。

実はいろんな化学反応や物質の振る舞いは原子レベルの物理現象を説明する量子力学に基づいています。量子力学は物理学の研究の結果生まれてきた学問で、原子レベルの「ミクロな世界」、あるいは「ナノ・メートルの世界」を知るには不可欠な学問です。化学反応や半導体の中の電子の動き、レーザー光の発生や様々な材料の性質、さらには生命現象も、元をただせばすべて量子力学に従っています。この量子力学は、応用物理工学だけでなく、化学や生命科学などの全てのサイエンスの基礎であると同時に、エレクトロニクスやナノ・テクノロジーなどの最先端科学技術に応用されているのです。

高校の物理では、力学や電磁気学などの、目に見える大きさ、すなわち「マクロな世界」を主に学習しているので、ミクロと言えば物理ではなく化学を想像する人が多いかもしれません。しかしマクロな世界の物理学は19世紀までの物理学であって、現在の物理学や応用物理工学は、量子力学を柱として、原子レベルのナノ・スケールの世界を中心に研究しているのです。