
How complex can you get?
ネットワークと複雑系の力学
ネットワークと複雑系の力学
複雑系やネットワークは私たちのまわりにあふれています。皆さんが、今朝、交通渋滞に巻き込まれてきたなら、すでにその一例を目撃していたことになります。コンピューターゲームや蟻の巣の中の通路、あなたの脳の中のニューラルネット(神経回路網)もまた、その一例です。
これらの全てに共通することは、非常に複雑な組織であるということです。ネットワークは、高校生のデートパターンを理解するのに用いることさえ可能です。
私たちの「応用物理工学コース」では、ニューラルネットや多くの孔を含んだスポンジ状物質の振動を理解するために、複雑系のモデル化を行っています。
ニューラルネット: 人間の脳細胞をシリコン上に一つ一つ成長させ、基本的な思考プロセスがモデル化されました。この生体器官と無機物との驚くべき組み合わせは、全く新しいハイブリッドデバイスへと導くに違いありません。
フラクタル物質: 「フラクタル」とは部分を拡大すると全体と同じような構造になるような性質(自己相似性)をもった図形のことです。自然界に見られる例のひとつとして、たとえば珊瑚(さんご)を挙げることができます。珊瑚のような自己相似性をもった物質はフラクタル物質と呼ばれています。
珊瑚の一片をたたいて耳をすませば、フラクタル物質が振動している音を聞くことができます。この振動は「フラクトン」と呼ばれています。
フラクタル物質中の電子は、まるでいたずら小僧のようです。われわれが予期することはやってくれません。だからこそおもしろいのです。そこで、フラクタル物質中の電子がどのように振る舞うかを計算して調べています。