研究Tips:研究を効率化するためのTipsを紹介しています。

ガス流量計(の紹介)

概要

ここでは気体の流量計を紹介します。培養容器に窒素ガスや空気などのガスを供給する場合に汎用します。うちのラボでは嫌気培養を多く行いますが、この場合、窒素/二酸化炭素の混合ガスを供給する場合が多いです。このような混合ガスは調整済みの高圧ガスを購入することも可能ですが、比較的高価かつ納期(こちらの方がネック)がかかるため、窒素および二酸化炭素ボンベを個別に用意し、流量計で混合して供給しています。例えば窒素80%、二酸化炭素20%の混合ガスを流量1 L/minで供給する場合、窒素ガスが0.8 L/min、二酸化炭素が0.2 L/minとなるように流量計を調整して供給します。

このような混合ガスを作製する場合、流量レンジが小さい流量計ほど重宝します。通常の高圧ガスボンベの充填量は7 m3 (=7,000 L)ですので、1L/minで供給すると、5日でボンベを使い切る計算になります。0.1〜1L/minの流量レンジですとガス流量計RK1710-Air/N2-1L/min (コフロック) を使っています。


100 ml/minより少ない流量を設定する必要がある場合、精密ニードルバルブまたはマスフローコントローラーを使用することになりますが、特にマスフローコントローラーは、高価です(ニードルバルブはオーダーメイドのせいなのか、納期がかかります。)。このような場合、ペリスタポンプで供給する方式をとります。ペリスタポンプであれば、数ml/minといった小流量でも安定して供給できます。ペリスタポンプのみでは流量を測定することができないので、水上置換法で測定します。ペリスタポンプでガスを供給しながら、ガスを水上置換法でメスシリンダーや目盛付きチューブに集めることで流量を測定することができます。参考になれば幸いです。