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研究室の発展

 学生にとっては「研究室が発展するか否か」などどうでも良いことなのかもしれませんが、何年、何十年も所属するスタッフにとっては重要な問題です。学生にとっても、卒業後に自分の研究室が落ち目になってしまうことは、やはり悲しいことなのではないかと思います(そう信じています)。一昨日(これを書いている時点においての)、北大工学部の鈴木先生が北大初のノーベル賞を受賞されました。先生は「この賞は自分一人の努力で与えられたものではなく、多くの同僚・学生の努力のたまものである」という趣旨のことを仰っておられます。先生の研究室の出身の方には大変嬉しい一言であったと思います。これは極端な例ですが、小さなレベル(例えば論文がpublishされる)でも卒業生には朗報なのではないか、と思います。
 研究室の発展は、「トンネルを掘ること」や「けもの道を切り開いて行くこと」に似ていると感じます。先人が大変な苦労をして掘り進んだトンネル(や踏み固めてできた歩きやすい「けもの道」)を後から来た者が進んで行くことは容易です。しかし、先端まで到達した後は大変です。自ら新たな道を造らなければいけません。方向はどっちか、掘り方はこれで安全か、など、あらゆることに注意しなければいけないので、そこから先に進むには大変時間がかかるはずです。しかし、先に進まないと自分の役目は果たせません。1cmでも1mmでも先に進む。そのことによりまた後輩が少しだけ前に楽に進めるようになる。その後輩は自分が進めなかった先をまた少し切り開いてゆく。このようなことを数年、数十年続けると、振り返ると長い道が開けているという結果が残ります。このような大きな仕事の一部に携わることができたということは学生、卒業生の喜びにつながると思います。
 もちろん、努力することは極めて困難なことです。でも、多くの場合喜びは努力した苦労の後に訪れます。勉強のみならずスポーツや芸術面で喜びを感じた時を思い返せばそうであったはずです。高校野球で言えば甲子園出場、優勝を目指す。2010年の事業仕分けでの一幕ではないですが、世界一を目指さなければ世界2位、3位にもなれないでしょう。
 卒論の1年間、修士修了時の3年間、Dr修了時の6年間でさえ「自分は何をやったきたのだろうか・・・」と感じるでしょうが、卒業から数十年後、出身研究室の成果を見ると「自分のやったことがここにハマっている」と感じることと思います。本研究室もそのような研究室でありたいと思っています。著名な学術賞を受賞された方も、自分の研究成果のみが評価された訳ではなく、先輩、同期、後輩が作った大きな研究の流れの中に自分の研究がある、と感じていらっしゃるのではないか、と推察いたします。
 まだまだ本研究室が切り開いて整備した「道」は狭くて歩きづらいですが、いくつかの成果を発表することができています。