配属希望の学生の皆さんへ


2010年4月から発足したグループです.少人数ですが,以下の事項に関する研究に 取り組んでいます.大半は基礎物理の研究ですが,応用研究にもつながっています. 特に現在は, 1-4番目のテーマを柱として研究を行い,国内外で注目されています.

  • 半導体単一量子ドット中の励起子・励起子複合体の基礎光物性
  • 半導体単一量子ドットの電子・核スピン間の磁気的相互作用
  • ナノ構造半導体におけるキャリア・励起子のスピンコヒーレンス
  • 酸化エルビウム結晶での電子のコヒーレント操作と量子メモリへの応用
  • 高感度非線形多次元分光法・イメージング分光法の開発
  • ワイドギャップ半導体(GaN,ZnO, 等)での励起子間相互作用

研究室では,授業とは違い,分かっていないテーマについて研究するので,いろいろな困難にぶつかります. このとき重要なのは,問題を多角的な面から考え続ける能力対話力です. 前者は実験を通じて,自分のデータを持ち,それを解釈することで鍛えていくことができます.また, 他人に問題点を分かりやすく説明できることや,ポイントを押さえて 平易な言葉でイメージを伝えることは研究者には不可欠です.一人では解決困難なことでも,人に説明しているうちに, 解決のヒントが得られることはよくあります.毎週ある研究経過報告会や勉強会を通じて,そのような対話力を 鍛えていきます. もちろん,研究を進める上で必須の装置製作・操作技術やプログラミング技術等を先輩や先生から学ぶことができます. 特にレーザー光を使った計測・分光技術については程度の高いものを身につけることができるでしょう.

研究室に所属するようになると,北大からの進学者はもちろん,(海外も含めて)他大学からの進学者,共同研究している企業の人(社会人), 北大内外の他研究室との学生とも,研究(や飲み会)を通して幅広い交友関係を築くことができます. また、研究室には研究室学生が独自に企画したイベント等がいくつかあり、研究以外 にも楽しく学べる環境になっています. 卒業・修了後の進路・就職先は気になるところですが,皆さんちゃんと自分の将来を考えてしっかり決めています.

少しでも興味を持った方や質問がある方、実験装置が見てみたい方等、是非遊びに来て下さい.お待ちしています.
研究室の見学や研究内容説明は随時受け入れています.直接学生居室(A3-68)に来られるか,予めメール[ adachi-s ] で予約をお願いします.


以下に日本語で書かれた研究内容を示す出版物をいくつか挙げておきます.研究室選びの参考にしてください.(クリックすると別windowが開きます)

  1. えんじにあRing 2015年 No.403 「半導体量子ドットにおける電子・核スピンの光操作」
  2. えんじにあRing 2010年 No.381 「これが私の研究室」
  3. えんじにあRing 2009年 No.376 「進化し続けるナノの世界」
  4. 日本物理学会誌 65(4), 247-250 (2010)
    「核スピンを光で見る・操作する. 半導体量子ドットの動的核偏極」
  5. 日本真空学会誌 53, 387-392 (2010)
    「光波混合法による窒化ガリウム薄膜での励起子間相互作用の実空間マッピング」
  6. 電気学会誌 122(11), 744-745 (2002)
    「コヒーレントフォノンの励起・制御と応用」
  7. 日本物理学会誌 54(5), 357-363 (1999)
    「固体における伝播モードの実空間イメージング」
  8. 固体物理 33, 765-7742 (1998)
    「目に見えるフォノンポラリトン伝播-実空間でのフォノンポラリトンイメージング-」
  9. 電子情報通信学会誌 91(11), 931-939 (2008)
    「量子ドットを用いた量子計算」
  10. nanonet わかる入門講座:ナノテクの世界


研究室卒業・修了生の就職関係


北大での指導学生の進路は以下の通りです.

博士課程修了者・ポスドク

北海道大学電子科学研究所助教,理化学研究所研究員,東京大学PD,本研究室助教 など
是非博士課程に進学してください.

修士課程修了者

NTT東日本,NTTドコモ,NTTデータ,NTTコミュニケーションズ,NTT研究所
富士通,三菱電機,東芝,北海道電力,中部電力, JR東日本,テルモ,三菱電機マイコン機器ソフトウェア など

学士課程修了者

たいていの人は北大の修士課程に進学します.
東京大学・スタンフォード大学修士課程進学,公務員 など