工学部発のア・レ・コ・レ
高温その場観察法を駆使して、金属材料の表面酸化を捉える
![](images/e435_voice03-img01.jpg)
材料科学部門先端高温材料工学研究室
准教授 上田 光敏
高温において金属材料を加熱すると、多くの場合、その表面にさび(酸化皮膜)が生成します。金属の酸化そのものは日常でもごくありふれた自然現象ですが、高温では表面に生成する酸化皮膜の種類によって金属材料の耐久性が決まるため、高温で使用される耐熱金属材料にとっては、特に重要な現象となります。金属材料の表面酸化を的確にコントロールするためにも、酸化皮膜の生成機構を解明することが重要となりますが、その詳細なメカニズムは未だ明らかになっていません。
私は、耐熱金属材料の表面に生成する酸化皮膜とその生成・成長過程に興味を持ち、現在、酸化皮膜の生成過程を直接、顕微鏡で観察する研究に従事しています。温度の高い環境で起こる現象を観察するため、決定的瞬間を捉えるのもなかなか難しいのですが、酸化皮膜の高温その場観察を駆使して、酸化皮膜の生成機構を解明できたらいいなと思っています。皆さんも、金属のさびに潜む深淵な世界を一緒に覗いてみませんか?
![](images/e435_voice03-img02.jpg)
![](images/e435_voice03-img03.jpg)