工学部の授業紹介
有機化学の魅力を伝える
応用化学部門有機元素化学研究室
准教授 久保田 浩司
私は、工学部応用化学コースの「有機化学Ⅰ」を担当しています。教養科目を修了し、応用化学に配属された新学部2年生が、専門科目として有機化学を学ぶための最初の授業です。
高校までの有機化学は、化学反応が起こる原理・原則を学ぶところまで行き届いておらず、残念ながら多くの学生が「有機化学=よくわからないけど暗記で乗り切る科目」という認識を持っています。また、有機化学と聞くと、「薄暗い実験室で汚れた白衣を着た怪しい化学者が夜遅くまで実験している…」というようなイメージが根強くあると感じています。私の授業では、これらの誤解を取り払い、有機化学の魅力を正しく伝えることを目標に授業を行っています。
有機化学は、多種多様な物質の性質・機能や生命現象の仕組みを系統的に理解する上で不可欠な学問であるだけなく、分子レベルでの究極のものづくりを扱う創造性溢れる学問です。また、すべての反応にはそれが進行する理由があり、その原理・原則をきちんと教えることで、暗記に頼らない本質的な有機化学の魅力を伝えるように努めています。授業資料にも気を配り、すべての学生が有機化学の基礎を理解できるようにデザインしています。