工学部の授業紹介
インフラ構築に関わる社会的合意の形成
土木工学部門交通ネットワーク解析学
准教授 杉浦 聡志
ダムや河川の堤防が構築されたあと、そのダムや河川堤防が最大限効果を発揮するためには、市民の協力が不可欠です。例えば市民の協力が不十分であれば、洪水時に堤防を過信して避難し遅れることも起こりえます。市民協力の必要性は多くの他のインフラでも同じことが言えます。したがって、インフラの計画時から市民がどのような機能のものが出来るか、どのような限界をもち、どのように振る舞うべきなのかを共有したうえで、インフラの建設、適切な運用に対して市民の合意が形成される必要があります。
国土政策学コース、社会基盤工学コース3年生を対象としたこの講義では社会の合意形成を得るための基礎的な手法の紹介から、インフラ建設に関わる合意形成の場を経験された方からの講演などをとおして、合意形成のいろはを学びます。講義の最後には、受講者全員の合意を実践的に形成する手立てを、意欲的に経験するために、最も3年生がひりつくトピックであろう研究室配属のルール案を検討します。これまでの議論ではGPAや学生の配属に対する熱意などを考慮した案が提案され、議論を通して修正も加わり、広く賛成が得られるルール案が作られてきました。