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多彩な面々による、
工学研究的フリートーク。

どの国へ行っても
得られるものが多い!

環境循環システム部門 地圏物質移動学研究室 教授
五十嵐 敏文

[PROFILE]

出身地
北海道
出身高校
北海道岩見沢東高等学校
趣味
(昔)スポーツ (今)将棋観戦
高校生・大学生に向けてひとこと
「英語が苦手な人こそ海外へ」

私は北海道の片田舎出身だったこともあり、北大工学部在学中はなんとなく地道な仕事に就きたいと思っていました。それが、修士修了後、民間の研究所に勤務するきっかけになりました。当時は先進的な欧米に倣えという機運があり、私も2度海外渡航の経験をしました。

1回目は20代のときに、単身で3ヶ月間、米国、カナダで地下水に関する研究・研修に励みました。多くの著名な研究者と会うことができましたが、その1人が、5時には家路につくが、夕食後に自宅で論文執筆することを聞き、研究者の厳しさを実感しました。もちろん英語では苦労しました。とくに通じなかった単語がhot dogとニューメキシコ州の都市のAlbuquerqueです。何度発音しても通じず、最後には店員や空港地上係員が発音を繰り返し教えてくれました。語頭のアクセントがポイントでした。hotmilkを注文したら、oatmealが出てきたことなど、今でも笑ってしまいます。

30代のときには、家族ともどもスウェーデンの片田舎の町に2年ほど赴任しました。仕事は英語でしたが、それ以外はスウェーデン語で、英語を母国語とする国への赴任であれば、どんなによかったかと思ったこともありました。しかし、自然が大好きで、明確な自己主張を持つスウェーデン人の生活を間近で見ていると、自分の人生観を考えさせられました。

海外では、苦労が多いのですが、自分の価値観を見つめ直すよいきっかけになります。英語圏でなくても、都会でなくても、得られることは多いはずです。ぜひ海外を経験してみてはどうでしょうか。