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多彩な面々による、
工学研究的フリートーク。

研究・活動紹介

精密計測で挑む「第二の地球」探し

応用物理学専攻
フォトニクス研究室
修士課程2年 須藤 星路

[PROFILE]

出身地
北海道小樽市
出身高校
北海道小樽潮陵高等学校
趣味
模様替え
ひとこと
やりたいことはやったもん勝ちです。

「この広い宇宙に、私たち以外の生命は存在するだろうか?」誰もが考えたことのあるこの疑問。その答えの鍵となる天体のひとつが「系外惑星」です。

系外惑星とは太陽以外の恒星がもつ惑星のことで、これまでに4000個近くも発見されています。現在、系外惑星の温度や大気組成、表層環境などを詳しく調べ、究極的に「第二の地球」発見を目指すプロジェクトが世界中で進んでいます。私たちの研究室では、このような究極目標に向けて、天体望遠鏡に搭載する光学デバイスや計測技術の開発を行っています。

系外惑星の観測は非常に難しく、例えるなら「遠くの灯台にとまっているホタルの光を見るようなもの」と言われます。恒星は惑星に比べて極めて明るいため、系外惑星を観測するには恒星の光を強力に除去しなければなりません。恒星光を除去する装置(コロナグラフといいます)の性能は、天体からの光波面の揺らぎにより厳しく制限されます。私は、この波面揺らぎを精密に測定するため、「光渦」(らせん状の等位相面をもつ光)に着目して研究を行っています。この研究は、天文学以外にも、医療診断やバイオイメージング、光学素子の検査など様々な分野へも応用できると期待しています。

精密計測実験の様子
系外惑星観測のシミュレーション(左)コロナグラフを用いない場合と、(右)コロナグラフを用いた場合の系外惑星観測シミュレーション。