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多彩な面々による、
工学研究的フリートーク。

卒業生コラム

北大出身の技術者(設備設計者)として

大成建設株式会社
設計本部設備設計第三部
設計室長 岩村 卓嗣

[PROFILE]

1991年 3月
北海道大学工学部衛生工学科卒業
1991年 4月
北海道大学大学院工学研究科衛生工学専攻入学
1993年 3月
北海道大学大学院工学研究科衛生工学専攻修了
1993年 4月
大成建設株式会社 入社
2011年10月
北海道大学大学院工学院空間性能システム専攻
博士課程入学(社会人博士)
2012年 9月
北海道大学大学院工学院空間性能システム専攻
博士課程修了(社会人博士)

憧れの北大と
悩み多き学生時代

北海道大学は、子供の頃に眼の手術で北大病院に入院して以来、広いキャンパスに憧れてぜひ入学したいと思っていた大学でした。入学してみると、構内の四季の移り変わりが美しく、想像以上に良い環境だと思いました。学生時代は、将来やりたいことが見つからず進路についても迷っていました。その中で工学部衛生工学科(現在の環境工学コース)を選択したのは、当時学科紹介のパンフレットにあった「人間を相手にする学問」という言葉に惹かれたからです。研究分野は温熱環境工学でしたが、勉強した内容は今も非常に役に立っています。就職の際には北海道に残るか道外で就職するか迷いましたが、当時の恩師から「一度は外に出て大きな仕事を経験したらどうか」というアドバイスをいただき、現在に至っています。

一般にはわかりづらい
「設備設計」とは

建築分野の設計は、建物の外観等をデザインする「意匠設計」、建物の土台と骨組みを設計する「構造設計」、建物の機能を設計する「設備設計」に分けられます。一般の方には設備設計の業務内容はイメージしにくいと思いますが、人間の体に例えると、循環器系や神経系等を設計するような分野で、空調・衛生・電気の3分野に分けられます。ZEB(Zero Energy Building)に代表されるように、近年では設備設計に省エネ・創エネ対策が求められており、ますます重要な分野となっています。設計というと図面を書くのがメインの仕事のように思われがちですが、建物を建てるためのプランニングを行うソフトの部分が最も重要な仕事となります。建物には同じものは一つとしてありません。その一品受注生産性の特徴から、建物には設計者の技量、感性等が多大な影響を与えることになります。何もないところから建物を作り上げていく仕事はとてもやりがいがあります。私が現在携わっている分野は、工場・研究所の設計です。この分野は設備設計の関わる範囲が広く、高度な技術を必要とする分野で技術開発等も行えることから充実した日々を過ごしています。

貴重な学生時代のつながり

学生時代には勉強も大切ですが、遊ぶことも大切です。同じ北大のキャンパスで過ごした学生時代の友人は、社会人になってからも気の置けない付き合いのできる存在となります。毎年東京で開催される、北大東京同窓会による「北大東京ジンパ」では、仲間たちと北大時代を懐かしがりながら楽しんでいます。社会人になってから色々な人に言われますが、北大は本当に良い大学です。最後に、月並みですが皆さんに贈る言葉はもちろん“Boys, be ambitious!”。学生時代を謳歌してください。

設計に関するブレインストーミング
海外出張先にて。風が心地よくついつい飲みすぎ…