本研究室は、化学工学を機軸とした分野横断型のアプローチを使い、ミクロとマクロスケール両方の観点から研究を進めている点が特徴です。例えば、触媒材料の熱処理工程における伝熱経路や伝熱速度に着目した改質プロセスの開発を目指しています。この研究では、材料を選択的に直接そして高速に加熱できる手法を利用することで、極めて短時間の処理によって材料中に望ましい特性を有するナノ空孔反応場を形成し、触媒の性能を向上することを目指します。また、層剥離した無機ナノシート表面に吸着した有機分子の熱分解経路への理解を深め、そして分解経路を制御することで、熱処理時のナノシート再積層を抑制し、従来のルートから得られる材料よりも優れた物性を有する固体触媒・吸着材料の合成を行います。反応工学、輸送現象そして熱力学に関連する技術要素を基盤とし、触媒化学、表面化学さらに物質合成化学などの要素を積極的に取り込み、エネルギーや環境にかかわる根本的な問題解決に資すること、そして革新的な化学プロセス開発に貢献することを目指します。
電池向け白金代替触媒の合成プロセス開発*
原子状金属担持触媒の合成プロセス開発
二酸化炭素吸着材の合成プロセス開発
ミクロ孔反応場制御プロセスの開発
*本研究の一部は公益財団法人JKAの補助事業により実施されました