特集

ランチタイム懇談会 02

現役エンジニアたちがリアルな「仕事と育児」を語る 〜仕事と育児を両立する企業の方と話してみよう〜

会期
2023年1月17日(火)・18日(水)
12:05〜12:55 トークセッション/13:00〜14:00 懇談(希望者のみ)
場所
工学部アカデミックラウンジ3
共催
工学部・工学院、ダイバーシティ・インクルージョン推進本部、マイクロンメモリジャパン株式会社、住友電気工業株式会社

男女の役割の変化と女性エンジニアからみた仕事と育児の両立

2回目のランチタイム懇親会「理系×ライフプラン」は、2日にわたり就職や人生設計に不安を感じる学生に企業のリアルな声を届けて参考にしてもらおうというもの。初日は、住友電工株式会社から女性エンジニア2人が登場。初めに同社人事部の本村麻子さんから、1986年に施行された男女雇用機会均等法以降の男女の役割の変化や多様性について話題提供が行われた。進行役のマイクロンメモリジャパン株式会社人事採用本部の佐藤仁さんも「ダイバーシティに成功している企業はどこも利益率が高く、その利益は社員に還元されるもの。企業と社員、双方にとってウィン・ウィンの関係が成立します」と補足した。

後半は、北海道大学出身で2017年に住友電工ハードメタル株式会社に入社した片岡萌子さんが、女性エンジニアとしてのキャリアも持つ先輩の本村さんに話を聞くトークセッション。出産・育休経験がある本村さんは、「実は仕事って自分の中でキャリアデザインをしやすいもの。たとえ一度仕事を中断することになっても、その後のことはまたその時に会社や周囲に相談すれば、どうにかなります。でも私たち女性の体や子どもの成長に関することは、その時にしかできない大切なこと。そこを考えてみてほしいですね」と片岡さんにアドバイス。最後は参加者に向けて「企業は若い皆さんにおおいに期待しています。頑張ってください」とエールを送った。

エンジニアのキャリアと積極的に育児に参加する男性エンジニア

2日目は視点を変えて、育休を取得した男性エンジニアが登場。前半は、初日の進行役だったマイクロンメモリジャパン株式会社の佐藤仁さんが提示する「日本における女性固有のキャリアを振り返る」スライドからスタート。「これからは戦後の古いジェンダーロールに縛られず、世界的に見ても異質な日本の〈周回遅れ〉を皆さんの時代でぜひ挽回してください」と学生たちに呼びかけた。

後半は、同社に2016年に入社したエンジニアの乙坂勇輝さんがオンラインで参加。乙坂さんは上から5歳・3歳・11カ月という3人の女児のお父さんだ。そのうち次女と三女が生まれた時に2カ月ずつ育休を取得した。「僕も妻も実家が遠いので日常的なサポートが期待できず、長女の時に感じた『子どもの成長を間近で見たかった』という心残りと、そして何より2人目が生まれた時に母乳が止まるくらいに疲弊しきった妻の姿を見て、育休を取ることに決めました」。

実際に体験して実感したことは「妻だけが家にいる生活を続けていたら、自分はいつまでたっても子育てに深く入り込めない。育休を取らない限り、男性は育児の基本的な辛さ、しんどさはわからない。今は妻とも『あの時は朝まで大変だったよね』と実感を持って思い出話を共有できるので、本当に休んでよかったと思っています」。リアルな育児トークに男子学生たちも真剣に聞き入っていた。