特集

ランチタイム懇談会 01

博士号を取得し活躍している先輩たちからのメッセージ 〜活躍している女性の先輩たちと話してみよう〜

会期
2022年10月26日(水)
12:00〜13:00 話題提供、トークセッション/13:00〜14:00 懇談(希望者のみ)
場所
工学部アカデミックラウンジ3
主催
工学部・工学院
共催
ダイバーシティ・インクルージョン推進本部
協賛
マイクロン財団

第1回の懇談会は、ライフイベントとキャリアを両立している女性として、関西学院大学教授の清水陽子さんと、繋がり学び合いのコミュニティ「ヒンメルカレッジ」を主宰している斉田英子さんをお招きした。

清水さんは、学部卒業後に民間企業での就職を選んだ時や、民間企業での経験を経て大学院への進学を選んだ時のモチベーション、そして子育てをしながら博士号を取得するまでの経験を語られた。「子育てと学業の両立は大変だった」と率直にお話される一方で、笑顔いっぱいで力強く「大変な時間も終わりは来る」「チャレンジしてみればなんとかなる」と。大学院進学についても、「自分の強みがはっきりするので、それを活かせる分野がひろがり、将来の選択肢が増える。自分の手で収入を得ること、その過程で社会のための責任をどう果たしていくかは重要で、そのために自分の得意分野を活かせるようになるのが進学して専門性を身に付けることの意義」とのメッセージが学生に伝えられた。

斉田さんは、大学を辞してコンサルティング業をスタートした背景をお持ちだ。街づくりや都市政策の研究の過程で市民一人一人の状況を知り、「社会を変えるひとりになりたい、社会と研究を繋げたい」という想いだったと。また、学部生中心の参加者に対して、「情報にあふれる時代でもあり、迷いがたくさんある年代だと思うが、悩むべき時に悩むことの大切さや、これまでの自分を振り返り、自分自身のオンリーワンのストーリーを掘り下げていくことが、将来、いろいろな選択肢を選べるようになるために必要なステップである」というメッセージ。また、清水さんと同様に「好きなことと得意なことを組み合わせて収入に繋げること、それを考えることが大人としての責任」と語っていた。

ご講演の後は、工学研究院の教員2名も加わり、講演の内容をさらに深める形でのトーキングセッションの時間。その中では、博士課程まで進学する決断について「博士課程の進学は考えていなかったが、修士課程で研究テーマを変えたため、このまま卒業するのはもったいないと思った」「一度社会に出た後の進学だったので、修士2年間ではもったいないと博士課程まで行くことにした」「大学教員(という職)は女性が自立して働きたいという考えに合致していたため、博士課程進学を見据えていた」とそれぞれの経験が語られた。また、在学中は収入がないということ、日本独特の女性の年齢に関する空気感という現実もあるが、それでもその時々で自分が好きなものを自分で選んできた、というエピソードは登壇者に共通していた。

「(何かを決断するとき)つい『もしこうなったら?』と考えてしまう」という質問に対しては、「自分の中の選択肢や具体的な考えを整理していく(と決断できる)」「不安を書き出し、分解していき、小さなところから解決をしていく。そうすると前に進める」といった、具体的なアドバイスがあった。