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佐藤太裕准教授が平成25年度北海道科学技術奨励賞を受賞

本学准教授佐藤太裕先生が平成26年2月20日,「構造力学的手法を用いた新しい次世代型構造システムの研究開発」により, 平成25年度北海道科学技術奨励賞を受賞されました。

佐藤先生は,これまで橋梁やトンネルなどの社会基盤構造物の設計に用いられる土木構造力学を, 既成概念にとらわれることなく広い分野に発展させ,新しい構造システムの研究開発へと繋げてきました。 本年度より新たに創設された本賞において,佐藤先生の今回の受賞は次の3点が主要な功績として評価されたものであります。

(1) 「水中浮遊式トンネルの研究開発」:浮力を有するトンネル本体を係留索を用いて水中に安定化させることにより,大水深域など海底トンネルや橋梁の建設が困難な状況における新しい渡海構造物として有望な「水中浮遊式トンネル」について,構造力学的視点から新規な研究開発を実施しました。
(2) 「粒状体をコア材とする新概念フレキシブルパイプインパイプ構造の研究開発」:二重管の間に流動性が高くかつ安価に手に入る砂などの粒状体を挿入することで,外圧には抵抗しつつも曲げに対してはしなやかに変形する「フレキシブルパイプインパイプ」を考案し,実験,解析両面からその有用性を明らかにしました。
(3) 「カーボンナノチューブの工学的利用に関する研究開発」:構造力学,応用力学に関する見識を最大限に活用し,理論的に特異な変形モードの抽出など優れた成果を挙げるとともに,他分野の研究者との共同研究を積極的に推進することで新しい研究領域の開拓を行いました。

佐藤先生の功績は,いずれも次世代における社会基盤の新しい価値観を提示するものであり,極めて挑戦的な研究開発であります。 (1)は新規性の高い学位論文として取りまとめられ,(2)は2013年5月に特許取得,(3)は当該分野で世界初の英文単行本執筆を行い, 2013年9月に出版に至っております。 また同時に学術面からも構造力学,応用力学をベースとしたインパクトの高い成果が,国内外の著名な学術雑誌に数多く掲載されております。 今後この奨励賞受賞を機にさらに研究の大きな発展が期待されます。

(北方圏環境政策工学部門)

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