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三浦清一特任教授が平成24年度北海道科学技術賞を受賞

工学研究院特任教授 三浦清一氏が,「北海道の気候及び地質と調和した 地盤防災技術の開発と実務課題への応用に関する研究」により,平成24年 度北海道科学技術賞を受賞されました。

三浦先生の代表的な功績としては,北海道の気候・地質に適した高精度の調査・試験方法とそれを利活用した地盤材料の品質評価法及び地盤の健全度評価法の開発,北海道の気候・地質の特異性を考慮した地盤の力学挙動解析手法の確立とそれを応用した災害発生予知・危険度評価システムの開発,杭と地盤改良を併用した複合地盤杭基礎による軟弱地盤対策工法の高度化技術の開発・普及が挙げられます。

これにより先生が,積雪寒冷地の地盤災害に対する新たな防災意識,設計施工及び点検管理の概念を明確にし,寒冷地地盤防災工学を応用した新しい防災・減災技術を実用化したことは,関係学協会から高く評価されています。

先生は,火山灰質土や泥炭地盤といった古くから北海道の開発,産業経済発展の阻害要因となっていた地域土地盤の利活用方法について,積雪寒冷地という特殊な気象条件を加味して検討し,膨大な数の学術論文や講演会を通してその工学的制御法を広く一般に公表してきました。

また,その知識と経験を活かし,北海道特定開発行為審査会や北海道公害審査会の会長など多くの公職を歴任し,一般市民への北海道特有の地盤災害に対する防災意識の滲透・定着,各種社会基盤施設の安全性等の向上,建設費・メンテナンスコストの縮減による公的資金の運用の合理化などを図り,本道産業の振興・道民生活の向上など北海道の経済社会の発展・振興に精力的に取り組んできました。

このように,三浦先生は,長年にわたり北海道特有の気象条件や地質条件に起因する地盤災害(地震時の液状化現象,融雪期の斜面崩壊現象など)の発生機構の研究と防災対策技術の開発を行ってきており,その結果,新たな学問体系である寒冷地地盤防災工学を確立し,道内の社会基盤諸施設の耐自然災害性能の向上や道民の安心・安全な生活環境の維持・確保,地域産業の振興に多大な貢献をされてきました。

なお,贈呈式は来る2月22日(金) 午前11時から,札幌グランドホテルにて行われる予定です。

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