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井口 學特任教授が第10回産学官連携功労者表彰
-経済産業大臣賞を受賞

工学研究院特任教授井口 學氏が,株式会社ヒューエンス(代表取締役 設樂守良氏,帯広市)と連携し,「汚泥発生量を従来の1/10以下に低減する旋回噴流式オゾン排水処理システム」の開発により,第10回産学官連携功労者表彰-経済産業大臣賞を受賞されました。

このシステムは,同社が有するオゾン技術と大学の技術シーズ(旋回噴流攪拌技術)を組み合わせた革新的なものであり,従来の排水処理技術(生物処理)と比較し汚泥発生量を1/10以下に低減し,汚泥処理コストの大幅な削減,省エネ・省スペース化の実現を可能にしたものです。

井口先生は,長年,鉄鋼をはじめとする材料プロセスの輸送現象とプロセス開発に携わり,材料プロセス工学分野の発展に貢献されており,その中でも特に高温場における輸送現象解明に多大な貢献をしたことで国内外において高い評価を得ておられます。

また,これらの研究の過程において,反応容器内へガスや液体を吹き込んだときに現れる浴表面の旋回現象が,非常に強い攪拌力を有することに着目し,新しい攪拌方法を発表されました。この攪拌方法が,オゾン処理法と組み合わされて汚水・排水処理分野で広く用いられ,旋回噴流式オゾン酸化法として知られるようになり,汚水・排水処理だけでなく,ホタテウロやイカゴロからのカドミウム除去,野菜類の洗浄などへの応用が期待されています。現在は大手食品メーカー等に導入され始めるとともに,東日本大震災被災地(宮城県女川町)において,生活排水処理システムとして導入されるなど,被災地復興にも貢献されています。

なお,表彰式は,来る9月28日(金)東京で開催される「第11回産学官連携推進会議」(於:東京国際フォーラム)で行われる予定です。


※ 産学官連携功労者表彰 … 大学,公的研究機関,企業等における産学官連携活動において大きな成果を収め,また,先導的な取組を行う等, 産学官連携の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し,その功績を称えるものとして内閣府が平成15年度に創設,平成24年度で10回目。

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